「東調級情報収集艦」2隻、北部準州とクイーンランド州沖へ
中国人民解放軍のスパイ艦がまもなくオーストラリア近海に到着し、活動を始める。公共放送ABC(電子版)が21日、情報筋の話として伝えた。オーストラリアと米国の主催で21日午後に正式に始まる2年に一度の大規模な共同軍事演習「タリスマン・セイバー23」に合わせて、情報収集を行う目的と見られている。
匿名の国防軍関係者がABCに明かしたところによると、中国海軍の「東調級情報収集艦」2隻が今後数日以内にオーストラリアに接近。1隻は北部準州の北方に、もう1隻は北東部クイーンズランド州中部ショールウォーター湾の国防軍演習海域周辺に展開する見通しだという。ただ、オーストラリアの排他的経済水域(EEZ)内であれば、国際法上、外国艦船の航行は認められている。
タリスマン・セイバーを統括するダミアン・ヒル陸軍軍将は中国艦船の具体的な動きについては言及を避けた上で、ABCに対し「人民解放軍などの活動について、国境を注意深く監視しているが、国際法を順守する限り問題はない」と語った。
今年のタリスマン・セイバーはオーストラリアと同盟国の米国、友好国の日本など13カ国から約3万人が参加して過去最大規模で行われる。中国は2017年の同演習以降、艦船を周辺海域に派遣して情報収集活動を行っているという。
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