市場は物価沈静化を好感 豪ドルは売られる
オーストラリアの4〜6月期の消費者物価指数(CPI)が2四半期連続で減速し、上昇のペースも市場予測を下回ったことを受け、26日の金融市場では株高、豪ドル安の動きが加速した。
ロイター通信によると、CPI上昇率の市場予想は前年同期比6.2%、前期比1.0%。結果は予想を下回る前年同期比6.0%、前期比0.8%だった。このため、利上げ懸念が弱まり、中央銀行の豪準備銀(RBA)が8月1日の理事会で政策金利(現行4.1%)を「0.25ポイント引き上げる確率」の市場予測は、CPI統計発表前の50%から31%に低下。同金利のターミナルレート(上限、到達点)の予測は4.42%から4.32%に下落した。
株式市場は、予想を下回るインフレを背景に、利上げ圧力が弱まったことを好感した。シドニーのオーストラリア証券取引所(ASX)の主要株価指数「S&P/ASX200」は、CPIデータが公表された午前11時30分の直後に急上昇。主に資源株や銀行株が買われ、前日の終値より0.85%高い7402.00と2月16日以来の高値でひけた。
また、一般的に通貨の価値を上げる利上げが遠のいたとの見方から、ロイターによると外国為替市場の豪ドルの対米ドル相場は一時0.9%下落した。午後4時の時点で0.4%安い1豪ドル=0.6765米ドルで取引されている。
ただ、利上げがいつ、どの水準で打ち止めになるかについては、エコノミストの間で依然として見方が分かれている。ロイターによると、ナショナル・オーストラリア銀(NAB)は、8月の利上げはなくなったとした上で「今後数カ月はさらに一段の金融引き締めのリスクが残るが、金利のピークは間近だ」と指摘した。
一方、米金融大手ゴールドマン・サックスは、今日のCPIデータ発表を受けてターミナル・レートの予測を従来の4.85%から4.60%に下方修正したものの、今後2回、0.25ポイントずつの追加利上げがあると見ている。
■ソース
Slowing Australia Q2 inflation lessens rate hike pressure(Reuters)
Market Overview(Australian Stock Exchange)