2月の底値から4.1%反発
オーストラリアの住宅市況の回復基調がいっそう鮮明になってきた。不動産情報会社コアロジックは1日、7月の住宅価格指数に関する統計を発表した。これによると、7月31日時点の価格指数は全国平均で前月末比0.7%上昇した。同指数は3月以来5カ月連続で上昇が続いている。
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もっとも、上昇のペースは5月の1.2%、6月の1.1%からスローダウンした。コアロジックのティム・ローレス調査部長によると、鈍化の背景には、最大都市の東部シドニーで物件の供給が大幅に増加したことがあるという。
同調査部長は声明で「シドニーの指数上昇幅は7月に0.9%と5月の1.8%から半減した。シドニーの7月の新規物件供給数は前年同月比で9.9%、過去5年平均と比べて18.0%それぞれ増えている」と指摘した。その上で「供給物件が増加したことで、買い手にとっては選択肢が広がり、購入を急ぐ必要性も縮小したのかもしれない」と分析した。
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オーストラリアの住宅価格は2020年以降、コロナ経済対策の金融緩和を背景に急上昇。同指数は、感染拡大初期の底値から22年4月の最高値までに26.2%上昇した。しかし、同年5月以降の急激な利上げの余波を受け、今年2月の底値までの10カ月間に9.1%急落していた。その後、上昇に転じ、2月の底値からの7月まで5カ月間の上昇率は4.1%に達した。とはいえ、22年4月のピークと比べると、依然として5.3%低い水準にある。
■ソース
Hedonic Home Value Index, 1 August 2023(CoreLogic)