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中国人ツアー旅行再開でオーストラリアのインバウンド業界はどうなる? コロナ前は最大の顧客だった

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短期渡航者数は全体で8割近くまで回復しているが

 中国政府は10日、オーストラリア向けのツアー旅行を解禁したが、同国のインバウンド観光市場が再びチャイナマネーで潤うことになるかどうか。先行きは不透明と言えそうだ。

(グラフ作成:©守屋太郎)

 オーストラリア統計局(ABS)の出入国者統計によると、コロナ禍前2019年の中国人短期渡航者数は143万8,670人と過去最高を記録していた。世界全体の短期渡航者数(946万5,900人)の15.2%を占め、国・地域別で最も多かった。

 しかし、中国だけではなく海外からの短期渡航者数は20年、コロナ感染拡大による国境封鎖でほぼゼロに。21年末からの受け入れ再開により、全体の短期渡航者数は22年12月、コロナ前のピークだった19年同月と比較して60.2%の水準まで回復。最新の5月の統計では19年5月と比べて76.6%の水準までリバウンドしているが、依然として団体客の渡航を禁止していた中国からの回復が遅れていた。

(グラフ作成:©守屋太郎)

 中国政府がツアー旅行の解禁対象国リストに日本や韓国、米国などとともにオーストラリアを加えたことは、最近の対オーストラリア経済制裁の緩和の一環ととらえることもできる。中国は5日、オーストラリア産大麦に課していた高関税を約3年ぶりに解除し、事実上の禁輸措置を解除している。

 ただ、中国経済の減速や豪中関係の悪化もあり、需要がどの程度、回復するかは見通せない。大勢の中国人観光客が観光地を埋め尽くし、免税店で「爆買い」する光景は、オーストラリアでも過去のものとなるかもしれない。

■ソース
Overseas Arrivals and Departures, Australia(Australian Bureau of Statistics)





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