2030年までに温室効果ガス75%削減目指す
オーストラリアのスーパーマーケット大手「コールズ」は10日、電気自動車(EV)の冷蔵バンを初めて導入したと発表した。北東部クイーンズランド州ブリスベン南方のフラッグストーンに1台目を配備。温室効果ガスの排出を減らすとともに、コスト削減効果も期待できるという。
新型のEV冷蔵バンは、注文を受けた商品を一般家庭に届ける宅配サービスに使用する。バッテリーに蓄えた電力をモーター駆動に加え、商品の冷蔵用にも使用するため、走行時だけではなく停車時にも温室効果ガスを発生しないという利点がある。従来型のバンは、冷蔵庫内の温度を一定に保つために停車時もエンジンを動かしておく必要があった。不快な排気ガスの匂いや騒音もゼロにできる。
EVの欠点は、走行距離の短さと充電時間の長さ。同社は1回の充電で走れる距離や充電時間を公表していないが、1台で1週間当たり最大240件の注文に応じることができるという。
供給網全体で脱炭素に取り組む
また、従来の配送車と比べて、1台で1週間当たり170豪ドル(約1万6,000円)の燃料費が節約できるとしている。エンジン車と比較してメンテナンスの手間が少なく、トータルなランニングコストの削減も期待できる。
コールズは、「スコープ1」(自社内の直接的な排出)と「スコープ2」(他社から供給されたエネルギー使用に伴う間接的な排出)の温室効果ガス排出量を2030年までに75%削減する目標を掲げている。
今回の配備を手始めに、電気冷蔵庫を備えた家庭用配送バンを500台導入して川下の排出削減を進める。一方、川上のサプライチェーンにおいては、より店舗間配送用の大型トラックや、物流拠点で貨物の仕分けに使う「ヤード・トラック」についても、電動化の実証実験を進めている。
■ソース
Coles welcomes first fully electric delivery van to its online fleet, Media Release(Coles Group)