オーストラリア代表の大活躍で後世に残る遺産
9回目の開催となったオーストラリア・ニュージーランド共催のサッカー女子ワールドカップ(W杯)は20日夜、シドニーのスタジアム・オーストラリアで決勝を行い、スペインがイングランドを1-0で破り、初優勝を果たした。前回2019年フランス大会まで8回の女子W杯の歴史で、スペインは前回大会のベスト16、イングランドは15年カナダ大会の3位がこれまで最高の順位だった。
勝利すれば、いずれも初の世界チャンピオンに輝く頂上対決。スペインは前半29分、主将オルガ・カルモナが低弾道の強烈なシュートをネット右端に突き刺してリードした。追うイングランドは後半4分、キーラ・ウォルシュのハンドでPKのピンチに。しかし、守護神メアリー・アープスが見事にボールを捉え、流れを変えたかに見えた。しかし、決定打を繰り出すことができないまま、試合終了のホイッスルが鳴った。
国際サッカー連盟(FIFA)の公式記録によると、スペインは今大会で18ゴールと最多得点数を記録。男女ともにW杯で優勝したのはドイツに次いで2カ国目となった。決勝の最優秀選手「プレイヤー・オブ・ザ・マッチ」には、カルモナが選ばれた。
7月20日から1カ月間、オーストラリアとニュージーランドの19会場で、32チームが繰り広げた64試合の熱戦は幕を閉じた。オーストラリア代表はグループリーグで敗退の瀬戸際に立たされたが、東京五輪金メダルの強豪カナダ4-0で破って決勝トーナメント進出。史上初のベスト4まで駒を進めた。準々決勝のイングランド戦では敗退はしたものの、ケガから復帰した主砲サム・カーが強烈なミラクルシュートを放つなど、テレビで視聴した半数近くの国民を熱狂ささせた。オーストラリアの女子サッカーの歴史に金字塔を打ち立て、主催国としては大成功を収めたと言える。
第10回の節目となる次回27年大会の開催国は、来年5月に開かれるFIFA総会で決定する。現時点で立候補している◇ベルギーとオランダ、ドイツの3カ国共催、◇南アフリカ、◇ブラジル、◇米国とメキシコの共催、の4つの選択肢から選ばれる。
■ソース
HIGHLIGHTS: Spain v England | FIFA Women’s World Cup 2023™, Optus Sport(YouTube)
「スペインがFIFA女子ワールドカップ初優勝。カルモナの決勝弾でイングランドとの頂上決戦制す」(FIFA)
FIFA Women’s World Cup 2027: hosts to be announced in May 2024(FIFA)