真菌類「カエルツボカビ」に集団感染か
オーストラリアの公共放送ABC(電子版)によると、南オーストラリア州でこのほど、数百匹の希少なカエルが大量死しているのが見つかった。同州環境・水資源省が原因を調べているが、世界的に両生類の生息数を減らしているカビの一種で真菌類の「カエルツボカビ」に集団感染した疑いがあるという。
大量死が確認されたのは、「サザン・ベル・フロッグ」(学名Ranoidea raniformis)と「ストライプト・マーシュ・フロッグ」(学名Limnodynastes peronii)の2種。州南東部ナラクアートの保護区にある2つの池で、合計数百匹が絶命していた。州環境・水資源省は9月1日まで池に面したキャンプ場と遊歩道を閉鎖し、死んだ個体のサンプルを採取するなど調査を進めている。
同省の生態学者、カール・ヒルヤード博士はABCに「死因はカエルツボカビだと見ていますが、他の原因も含めて調査しています」と述べた。カエルツボカビは、世界のカエルの3割以上を死滅させたとされる。「遊走子」と呼ばれる胞子をカエルの皮膚から体内に侵入させ、心臓発作を引き起こすという。
大量死は7月中旬以降に起きているが、幸い全滅に至る心配はなさそうだ。同博士は「死亡した個体の数は毎週、減少傾向にあります。一定の数の個体群が生き残っているのは良い兆候です」と語った。
■ソース
Hundreds of frogs die at Bool Lagoon near Naracoorte in suspected chytrid fungus outbreak(ABC News)