「同意があった」とする被告の主張を裁判長が断罪
オーストラリア南部ビクトリア州で2018年、ワーキング・ホリデーで滞在中の日本人女性(19)が性的暴行の被害に遭った事件で、メルボルンのビクトリア州地裁は15日、強制性交の罪で起訴された民泊施設経営者のジェイムズ・リスゴー被告(46)に対し、禁錮6年6カ月の有罪判決を言い渡した。
民放「セブン・ニュース」(電子版)によると、同地裁のフラン・ダルジール裁判長は、被告が計画的に女性を襲う意図はなかったことは認めた上で、「女性が、フレンドリーで愛想が良かったことは間違いないが、それが被告との性行為を望んでいるというしるしにはならない」と指摘。同意があったとする被告の主張を退け、2つの強制性交罪で有罪を宣告した。
被告は「私もバカではない。(性行為に至る過程で)良い雰囲気になってきたというタイミングは分かる」と述べ、酒に酔った時に女性にキスしたり身体を触ったりするのは「通常の行動だ」と主張していた。
これに対し、同裁判長は「酔っているというだけの理由で、キスしたり性行為に及ぶというのは、通常の行動であるべきではない」と被告の認識を断罪した。
エアビーの掃除バイトに応募して被害に
報道によると、被害者女性は18年9月初め、交際相手の男性とともにワーキング・ホリデー・ビザで来豪。ネットの掲示板に求職の投稿を掲載したところ、被告がエアビーアンドビー(米民泊アプリ大手)の宿泊施設で掃除の仕事をしないかと持ちかけてきた。時給25豪ドル、食事・宿泊付きという条件だった。女性はほとんど英語を話せなかったという。
仕事を受けることにした女性は、メルボルンから鉄道に乗って西へ約200キロ離れたアララトの駅で降り、被告の車で宿泊施設まで移動。そこで被告は女性にワインを飲ませて酔わせ、身体を触ったりキスしたりした後、敷地内のキャンピングカーに連れ込み、2度にわたって性的暴行を加えた。
翌朝、女性からの連絡を受けた交際相手が現場に駆け付け、近隣のキャンプ場に避難させた上で警察に通報。事件が明るみになった。
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