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原発コストは37兆円! オーストラリアのエネルギー相、小型モジュール炉の検討否定

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ウラン輸出大国だが、導入は「ありえない」

 オーストラリアのクリス・ボウエン連邦気候変動・エネルギー相は18日、温暖化対策で今後廃止する石炭火力発電所をすべて原子力発電所に置き換えた場合、3,870億豪ドル(約37兆円)もの膨大なコストがかかると主張した。最大野党・保守連合が主張する次世代型の小型モジュール炉(SMR)の導入検討を否定した。公共放送ABCのラジオ番組で述べた。

 ボウエン・エネルギー相によると、運転を停止する火力発電所の発電量を原子力で賄うには、最低71基のSMRの建設が必要になるという。政府の試算によると、1キロワット当たりの発電コストはSMRが1万8,167豪ドル、太陽光が1,058豪ドル、風力が1,989豪ドルとされる。





 同相は「(原発導入は)現実にありえない絵空事だ。真剣に取り組むのであれば、誰かがコストを負担しなければならない」と語り、再生可能エネルギーの導入促進と送電網の刷新、大型蓄電池の設置などを柱とした政権の脱炭素政策が現実的との見方を示した。SMRの安全性についても「ロシアと中国に1基ずつあるが、商業運転はまだ行われておらず、(技術が)実証されていない」と疑問視した。

 オーストラリアは世界最大のウラン資源量(回収可能な既知資源)を誇り、産出量も世界3位だが、国内に商業用の原子炉は1つもない。過去に原発導入の是非をめぐる論争が浮上したことはあるが、これまでは国内で豊富に取れる安価な石炭で電力需要を賄えたこともあり、具体化することはなかった。

 しかし、近年では温暖化対策で石炭火力発電所の廃止が相次いでいる。保守連合のピーター・ダットン党首は、温室効果ガスを出さない安定的な代替電源としてSMRの導入を検討すべきだと主張していた。

■ソース
Energy minister says replacing coal-fired power stations with nuclear would cost $387 billion(ABC News)





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