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ウォンバット大量死の理由とは? オーストラリアでダニ感染症広がる

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皮膚病誘発して毛が抜けて細菌が侵入

ダニに生存が脅かされているウォンバット(Photo: Wikipedia)

 ずんぐりむっくりとした風貌が愛らしいオーストラリア固有の有袋類、ウォンバット。本土とタスマニア島に比較的多く生息し、絶滅の危険度は低いとされるが、タスマニア大によるとダニの感染症で大量死する個体群が発見されている。公共放送ABC(電子版)が伝えている。

 同大の研究チームの調査によると、ダニがウォンバットに寄生すると皮膚に潜り込み、疥癬(かいせん)と呼ばれる皮膚病を引き起こす。体毛が抜け落ちて細菌が体内に侵入し、寄生から約3カ月で死に至る。調査した個体群の中には、生息数が最大95%減少した例もあった。

 研究チームによると、ウォンバットは他の個体と接触することでダニが寄生して感染が拡大する。ウォンバットは基本的に単体で活動する動物だが、数日おきに巣穴を移動するため、他の個体が巣に残したダニから寄生が広がるケースも多い。





 治療には「シデクチン」や「ブラベクト」といったペットや家畜用のダニ駆除薬が有効だ。ボランティアのスタッフが、ウォンバットの身体にじょうろで薬液をかける活動を行っている。その結果、ビクトリア州では多くの個体の症状が回復するなど効果を上げている。

 タスマニア大のスコット・カーバー博士(生態学)は「それぞれの個体や小さな個体群の治療には成功しています。しかし、大量の感染拡大からウォンバットを守るまでには至っていません」と述べ、さらなる研究が必要だとの考えを示した。

■ソース
Wombat researchers’ Tasmanian study develops new theory on mange mite transmission(ABC News)





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