ガソリン代や光熱費、家賃が引き続き高い
オーストラリア統計局(ABS)は27日、8月の月次物価統計指標を発表した。これによると、8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で5.2%上昇した。月次のCPI上昇率は2022年12月(8.4%)でピークを打った後、減速傾向が続いているが、ガソリン価格や住居費の上昇を背景に、8月は7月の4.9%から0.3ポイント加速した。
変動の激しい「青果・自動車燃料・休暇旅行費を除くCPI」(日本の「コアコア指数」に近い概念)の上昇率は5.5%と7月(5.8%)から鈍化した。
品目別で見ると、住居費(6.6%)、運輸費(7.4%)、食品・アルコールを除く飲料(4.4%)、保険・金融サービス(8.8%)などの上昇率が全体を押し上げた。
住居費では、新築住宅価格は4.8%の上昇と21年8月以降で最も低かった一方で、賃貸住宅市場の需給が引き続きひっ迫していることから、家賃は7.8%上昇した。
エネルギー価格は、卸売価格の上昇を背景に、電気料金が12.7%、ガスが12.9%と高い伸びを示した。自動車燃料も前年同月の下落の反動で13.9%と急上昇した。
なお、ABSは従来の四半期のCPI統計に加えて、22年9月から月次のCPI統計を発表している。ただ、月次統計は四半期統計と比べてサンプル数が少なく、あくまで参考値として取り扱われている。
中銀の政策決定や金融市場では四半期統計がより重視される。四半期のCPI上昇率は22年10〜12月期(7.8%)にピークを打った後、23年1〜3月期(7.0%)、直近の4〜6月期(6.0%)と鈍化傾向が続いている。