トレンド値の前年同月比伸び率は史上最低
オーストラリア統計局(ABS)が28日発表した統計によると、8月の小売売上高は季節調整値で354億3,270万豪ドル(約3兆3,800億円)と前月比で0.2%、前年同月比で1.5%それぞれ増えた。前月比の伸び率は6月に0.8%減となった後、7月(0.5%増)に続いて2カ月連続で小幅に増加した。
ABSによると、トレンド値では前年同月比1.3%増と統計を取り始めて以来最低の伸びを記録したという。ABS小売統計部門の責任者を務めるベン・ドーバー氏は「消費者は引き続き小売支出を抑えている。過去1年間の高いインフレと(移民受け入れ再開による)大幅な人口増にもかかわらず、過去最低のトレンド値の伸び率は、生活費高騰にあえぐ消費者がいかに出費を控えているかを物語っている」と指摘した。
ただ、品目別では「服飾・靴・アクセサリー」が前月比1.3%増、「飲食店・テイクアウト店」が0.7%増、「百貨店」が0.4%増と高い伸びを示した。
平年より気温が暖かかったこと加え、「前月に引き続き、サッカー女子ワールドカップ(W杯=7月20日〜8月20日の1カ月間、オーストラリアとニュージーランドで共同開催)を観戦するために全国で多くの観戦者がスタジアムやパブリック・ビューイング場に押し寄せたことで、関連グッズや飲食店の売上を伸ばした」(ドーバー氏)という。
W杯で男女初のベスト4に進出したオーストラリア代表「マチルダズ」の大活躍が、下り坂にある景気をなんとか盛り上げてくれた。
■ソース
Retail turnover up 0.2 per cent, Media Release(Australian Bureau of Statistics)