バロック新総裁の下で初の理事会 インフレと景気の現状認識引き継ぐ
オーストラリアの中央銀行、豪準備銀(RBA)は3日、金融政策を決める月例の理事会を開き、政策金利(4.10%)を4会合連続で据え置いた。据え置きは市場の予想通り。
9月に女性初のオーストラリア中銀トップに就任したミシェル・バロック新総裁の下での初会合。バロック総裁は声明で「経済の先行き不透明感が漂っている中で、理事会は金利の据え置きを決めた」と述べ、フィリップ・ロウ前総裁の9月の発表を踏襲した。インフレはピークを過ぎたものの依然として高水準にあり、消費者物価指数(CPI)が「目標の2〜3%に戻るのは2025年末」との従来予測も変えなかった。
RBAは2022年5月から23年6月までの13会合で同金利を4.0ポイント引き上げてきた。急激な利上げにより、CPI上昇率が22年末にピークを打つなどインフレ抑制に一定の効果を上げた。折からの物価高と利上げは個人消費を冷え込ませており、成長は鈍化しつつある。一方、家賃やサービス物価は依然として上昇圧力がくすぶっており、労働市場も依然として需給がひっ迫した状態にある。
このため、バロック氏は今後の金融政策の見通しについて「妥当な時間軸の中で確実にインフレ目標(2〜3%)に戻すためには、さらなる金融引き締め(単数)が必要となるかもしれないが、引き続き経済指標とリスク評価に左右される」(下記原文)と9月のロウ前総裁と同じコメントをリピート。今後の追加利上げの可能性を否定しなかった。
“Some further tightening of monetary policy may be required to ensure that inflation returns to target in a reasonable timeframe, but that will continue to depend upon the data and the evolving assessment of risks.”
ただ、市場参加者やエコノミストの間では、現状の4.10%で利上げは打ち止めとの見方が大勢を占めている。