前期比1.2%、前年同期比5.4%
オーストラリア統計局(ABS)が25日発表した四半期の物価統計によると、7-9月期の消費者物価指数(CPI総合)は前期比で1.2%、前年同期比で5.4%それぞれ上昇した。市場予想の前期比1.1%、前年同期比5.3%(ロイター通信調べ)をいずれも上回った。
インフレが想定よりも上振れしているとの認識から、ロイター通信によると、中央銀行の豪準備銀(RBA)が11月7日の次回会合で利上げに踏み切る確率(市場予想の中央値)はCPI発表前の35%から66%に跳ね上がった。市場参加者のシナリオは「現行の4.10%で利上げ打ち止め」から「年内にもう一度利上げ」へと傾きつつあるようだ。
RBAが金融政策を決める上でより重視するCPIの「トリム中央値」(極端な価格変動を除いた値=上記折れ線グラフの濃紺)の上昇率は前期比1.2%、前年同期比5.2%だった。
CPI総合の上昇率は2022年10-12月期に前年同期比7.8%でピークを打ち、23年1-3月期7.0%、4-6月期6.0%、7-9月期5.4%と低下してきている。ただ、四半期統計とは別にABSが集計している月次CPI統計(同日発表)によると、7月4.9%、8月5.2%、9月5.6%とインフレ再燃の兆しも見え始めている。
■ソース
Consumer Price Index, Australia, September Quarter 2023(Australian Bureau of Statistics)
Monthly Consumer Price Index Indicator, September 2023(Australian Bureau of Statistics)
Australia’s surprisingly strong Q3 inflation raises odds of Nov rate hike(Reuters)