行方が分からない重要参考人の可能性
オーストラリア東部シドニー屈指の名門校「セント・アンドリューズ・キャセドラル・スクール」にある体育館のトイレで25日深夜、ウォーター・ポロ(水球)の女性コーチを務めていたリリー・ジェームズさん(21)の他殺体が発見された事件。同僚でスポーツ助手のポール・ザイセンさん(24)の行方を追っていたニューサウスウェールズ州警察は27日、シドニー東郊で身元不明の男性の遺体を発見したと発表した。
メディア大手「ニューズ・コーポレーション」のニュースサイトによると、同日夜の時点で、警察は遺体がザイセンさんのものかどうかを明らかにしていない。男性の遺体は27日朝、東郊ワトソンズ・ベイの外洋に面した断崖絶壁「ザ・ギャップ」の下で見つかり、後に引き上げられた。ザ・ギャップはシドニー観光の定番コースだが、自殺の名所としても知られている。警察は26日からヘリや船舶で付近の海域を捜索していた。
ニューズによると、ジェームズさんはザイセンさんと約5週間の短い交際関係にあり、最近別れていたという。ザイセンさんはジェームズさんの死亡から約4時間後の25日深夜、ザ・ギャップから電話で警察に自ら通報していたとされる。現場に駆け付けた警官が、ハンマーのようなもので頭部をめった打ちにされたジェームズさんの遺体を発見したと見られる。
事件後のザイセンさんの足取りも徐々に明らかになっている。ニューズ系のタブロイド紙「デイリー・テレグラフ」が公表した監視カメラ映像には、ザイセンさんと見られる人物が25日午後9時すぎにボークルーズの路上で銀色のレクサスから降り、ゴミ箱に向かっているところが写っている。同紙によると、警察はザイセンさんが犯行に使用したハンマーを捨てた疑いがあると見ているという。
現時点で断定はできないが、ザイセンさんが痴情のもつれからジェームズさんを妬み、校内で殴殺した後、自らも海に身を投げた可能性がありそうだ。
■ソース
Chilling CCTV shows alleged killer’s final hours(news.com.au)