「焼け石に水」とビジネス顧客
オーストラリアの通信大手オプタスで8日、大規模な通信障害が最長14時間にわたって発生した問題で、発表した損害の埋め合わせ策に反発が強まっている。公共放送ABC(電子版)によると、オプタスは9日、通信障害の影響を受けた契約者に対し、200ギガバイトの通信データを13日から無料で提供すると発表した。プリペイドのユーザーには、年末まで週末のデータ使用量を無制限に解放する。
オプタスのベイヤー・ロズマリン最高経営責任者(CEO)は「昨日の損害を埋め合わせることはできないが、顧客が求めているのは通信網が常に稼働していることであり、私たちはそれを最優先に取り組んでいる」と述べ、データの無償提供で報いる考えを示した。
これに対して、通信障害で損失を受けた法人契約者は反発している。ネットの通販や取引が普及した現代では、通信回線が途切れると収入が激減する事業者も多い。ABCによると、オプタスの回線を利用している小規模事業者は全国に約40万社。その1人は「200ギガバイトはバンドエイドのようなもの。少なすぎるし、遅すぎる」と語った。顧客と連絡が取れなくなったことで失われた収入は、この日の売上だけではない。損失補填の改善を求める一方で、通信障害時のバックアップとして他の通信業者とも同時に契約するか、オプタスとの契約打ち切りも検討するとしている。
今回の通信障害は、オーストラリアの総人口の約4割に当たる1,000万人以上のオプタス契約者が影響を受けたもようだ。連邦通信省は原因究明に乗り出し、連邦上院がオプタスの顧客対応について調査する委員会を立ち上げるとともに、規制当局のオーストラリア通信メディア局(ACMA)も、通信障害が携帯電話の緊急通報(000番)に与えた影響について調査を開始した。オプタスは当局の調査に全面協力するとしている。
■ソース
Optus offers customers 200GB of free data as compensation for nationwide outage(ABC News)