オーストラリア連邦裁判所が判決
オーストラリアの大手ハンバーガー・チェーン、ハングリー・ジャックスの商品「ビッグジャック」が、マクドナルドの定番「ビッグマック」の登録商標を侵害している――。こう主張するマクドナルドがハングリージャックスを訴えていた裁判で、オーストラリア南部メルボルンの連邦裁判所は16日、登録商標の侵害を認めない判決を下し、マクドナルドが敗訴した。
同裁判所のスティーブン・バーリー裁判長は「ビッグジャックはビッグマックと異なる。人を欺いているわけではない」と述べ、登録商標と利益を侵害しているとのマクドナルドの主張を退けた。
ハングリー・ジャックスは外食大手、コンペティティブ・フーズ・オーストラリアの子会社。米バーガー・キングのフランチャイズ・チェーンのオーストラリアでの統括会社として、ハングリー・ジャックスの屋号で国内に440店舗以上を運営しており、970店舗以上のマクドナルドの半分弱の規模がある。
ビッグジャックは、白ゴマをまぶして3分割したバンズの間に、牛肉のパテ2枚とレタス、とろけたチーズなどを挟んだ形がビッグマックにそっくり。だが、裁判では見かけではなく、名称が登録商標を侵害しているかどうかが争点となった。両者の法廷バトルは3年以上の月日を要した。
ハングリー・ジャックスの誇大広告は認める
「ザ・バーガーズ・アー・ベター」(うちのハンバーガーは(マクドナルド)よりおいしい)――。ハングリー・ジャックスは、ライバル心むき出しのキャッチフレーズを掲げてきた。
マクドナルドに提訴された後も、広告で「誰かがハングリー・ジャックスを訴えているね。彼らはオージーがビックジャックをアメリカのハンバーガーと勘違いしていると考えているようだ。しかし、ビッグジャックはオージービーフを25%多く使用していて、明らかにより大きいんだぞ」と挑発を続けていた。
裁判では、マクドナルドがこれをウソだと主張。博士号を持つ科学者を含む2人の専門家がブリスベンとメルボルンにある両社の店舗50カ所以上でハンバーガーの重量を測って審理したという。その結果、「ビッグジャックの調理済み牛肉パテ平均重量は、ビッグマックよりも15%以上、上回ることはなかった」(バーリー裁判長は)という。
このため、裁判所は、ハングリー・ジャックスの広告について、誤解を招いたり人を欺いたりする行為を禁じたオーストラリア消費者保護法第18項に違反するとの判断を示した。ハングリー・ジャックスの勝訴となったが、誇大広告についてはマクドナルドの主張を認める形となった。
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