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アルバニージー首相の愛犬「トト」、政府専用機に乗ってもいいの? 空軍幹部は議会答弁で認める

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オーストラリアで犬種人気1位のキャバプー

パッチリとした目力が印象的なキャバプーのトト(アルバニージー首相のX公式アカウントへの投稿より)

 オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相が、国民の税金で運用している空軍の要人輸送機(政府専用機)に愛犬を乗せていることが、ちょっとした問題になっている。同国の保守系メディア大手ニューズ・コーポレーションのニュースサイトが21日付で伝えている。

 アルバニージー首相が飼っているのは、8歳のメスの小型犬「トト」(Toto)。羊のように縮れた白い毛、垂れた耳、ぱっちりと見開いた大きな黒目が特徴的だ。犬種は「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」と「トイ・プードル」を交配した「キャバプー」。英語では「カブードル」(cavoodle)と呼ばれ、人懐こく、社交的な性格とされる。オーストラリアでは指折りの人気犬種で、ドッグフード・メーカーのヒルズが選ぶ2022年の人気ランキングでも1位に付けている。

 オーストラリア人にとって愛犬は単なるペットではなく、子どもや兄弟と同じ家族の一員だ。アルバニージー氏も22年5月の首相就任以来、要人輸送機にトトを乗せて、首都キャンベラの首相公邸と、私邸と公邸があるシドニーを往来していることが、最近になって明るみになった。





「トトの搭乗記録を公開せよ」と野党議員

 これを問題視した野党国民党のブリジット・マッケンジー連邦上院議員は先月、議会で空軍トップのロバート・チップマン司令に対し、次のように証言を要求している。

「動物、特にトトという動物が22年5月21日以降、搭乗を許可された特別目的機のフライトの全リストを公開してください!」

 これに対して、チップマン司令は「要人がペットと一緒に要人輸送機で旅行したという、過去の事実は把握しています。しかし、動物の搭乗に関する包括的な記録は残していません」と証言した。

 また、その動物はスコット・モリソン前首相の愛犬でシュヌードルの「バディー」か、アルバニージー首相の「トト」かと聞かれた同司令は「おそらくその両方でしょう」と答えた。愛犬を搭乗させていた首相は、アルバニージー氏だけではなかったようだ。

 同司令によると、要人輸送機の乗客名簿に動物が注釈として記載されるケースは稀にあるものの、どの程度の頻度で搭乗したかなど、詳しい記録はないという。

機体名「トト・ワン」のジョークにも批判

 オーストラリアの首相が公務で搭乗する要人輸送機は、首都特別区(ACT)にある空軍第34航空団に所属している。米ボーイングのナローボディー機(通路1本の中型機)を架装した「737ボーイング・ビジネス・ジェット」2機、欧州エアバス「KC-30A」1機などを配備している。

 オーストラリアの要人輸送機には、米国の大統領専用機「エアフォース・ワン」のような名称はないが、モリソン前首相は非公式に「シャーク・ワン」と呼んでいた。アルバニージー氏は首相就任直後の22年5月のインタビューで、要人輸送機の名称について聞かれ、「私の愛らしい子犬の名前を付けて、『トト・ワン』と名付けようかと、冗談で言っていたんだ」と打ち明けている。

 要人輸送機に自分のペットの名前を付けようというアルバニージー氏流のジョークも、やり玉に上げられた。

 このことを追求されたチップマン司令は「航空機に動物の名前を付けることに関して、国家安全保障上の規定は特にありません」と証言した。同司令によると、「何らかのハーネス(安全ベルト)」を着用することが、動物が搭乗する際の唯一のルールだという。

 オーストラリアの首相が愛犬を要人輸送機に乗せたり、愛犬の名前を機体に命名したりすることに関して、違法性や安保上の問題はないようだ。しかし、野党や首相に批判的なメディアには「公私混同」と映る。インフレと利上げで生活が厳しさを増す庶民からも、可愛い愛犬を連れ添って政府所有のVIP機で移動するアルバニージー氏の姿は、優雅なセレブと見られても仕方がない。ただ、当然ながら、飼い主に付いていっているだけのトトに非はなく、政争の具にされる筋合いはない。世間の雑音は全く気にせず、わが道を行くといったところだろう。

■ソース

Anthony Albanese shoots down suggestion he calls his VIP airbus, Toto One after female cavoodle(news.com.au)





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