今後5年間の政府機関予測
コロナ禍の国境封鎖で大打撃を受けたオーストラリアの外国人観光客市場は今後、従来の想定より早いペースで回復し、2年後の2025年にはコロナ禍前を上回りそうだ。オーストラリア貿易投資促進庁「オーストレード」の観光調査部(TRA)が28日に発表した23年から28年の観光業の見通しに関する報告書で明らかにした。
23年の外国人訪問客数は730万人と22年(370万人)からほぼ倍増すると予測している。ドン・ファレル連邦貿易・観光相は「中国が1月にオーストラリア向けの渡航を解禁し、9月に団体旅行も再開したことで、中国人訪問客が戻ってきた」と指摘した。
その後、24年には930万人とコロナ禍前の98%の水準まで回復。25年には1,020万人と史上最高記録を更新するとしている。その後も右肩上がりで増え続け、5年後の28年には今年と比べて65%多い1,210万人に達する見通しだという。
外国人訪問客が落とす支出額は、23年に286億豪ドル(約2兆8,000億円)と22年と比べて124%増加する。1人当たりの金額は約4,000豪ドルに達する。
ファレル観光相は「観光業の成長は私たちの経済の繁栄にとって不可欠です。訪問客が1ドル支出する毎に、81セントの波及効果を生み出しています。観光業は主な輸出産業であるだけではなく、有力な雇用主でもあります。オーストラリアの事業者の8社に1社が観光業に関連しており、多くの地域社会にとって活力の源となっているのです」と述べた。
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