利上げ効果は十分か 米欧も引き締め停止の方向
オーストラリアの中央銀行、豪準備銀(RBA)は5日、金融政策を決める年内最後の理事会を開き、政策金利を4.35%に据え置くことを決めた。据え置きは市場の予想通り。年末年始の休暇前に国民や市場を安堵させるクリスマス・プレゼントとなった。
RBAは11月の会合で、インフレ減速のペースが遅いとの判断から、同金利を5会合ぶりに0.25ポイント引き上げていた。RBAのミシェル・ブロック総裁は6日の声明で、金融政策の見通しについて「妥当な時間軸の中でインフレ目標に戻すために、さらなる金融引き締めが必要になるかどうかは、統計データと変動するリスク評価に依存する」と11月の文言をリピートし、今後の追加利上げの可能性を排除しなかった。
しかし、今回の金融引き締めサイクルで利上げはいよいよ打ち止めと見られており、2024年中には利下げに転じるとの予測も出ている。これは、直近の統計で物価上昇ペースの鈍化と景気の減速が顕著となり、利上げが十分に効いてきた可能性が強まっているためだ。経済規模がより大きい米国や欧州で利下げ打ち止めの観測が強まっており、オーストラリアは追従せざるを得ない側面もある。
次回会合は、休暇シーズンに入る1月は休会となり、2月5〜6日に開かれる。RBAはこれまで年11回、月次会合を開いてきたが、24年からは年8回の開催を予定している。日銀の金融政策決定会合や、米連邦公海市場委員会(FOMC)と同様の「国際標準」となる。頻度は減るものの、審議の時間を増やしたり、会合後の総裁の記者会見を新設したりと「量より質」を重視した中銀改革を進める。
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