年内に政界引退 マイルズ副首相を後継指名
オーストラリア北東部クイーンズランド州のアナスタシア・パラシェ州首相が10日午前、辞任を表明した。現地メディアが一斉に報じている。
13日に同州に上陸すると見られているサイクロン(日本の台風に相当する熱帯低気圧)への対応をめぐる記者会見で、急きょ表明した。パラシェ州首相は「クイーンズランド州民のために尽くすことができたのは、私の人生にとって名誉だ。やり切った。マラソンを走り切った」と述べ、州首相を今週で辞任する意向を明らかにした。州議員も年内に辞職し、政界を引退する。
パラシェ氏は1969年生まれの54歳。州議員だった父の地盤を継いで2006年の州議会選挙(1院制、任期3年)で初当選した。野党党首として挑んだ15年の州議会選挙に勝利し、第39代クイーンズランド州首相に就任。第1次内閣は、オーストラリアの政治史上初めて女性閣僚の数が男性閣僚を上回った。17年、20年の州選挙でも勝利を収めて再選され、オーストラリアで初めて3選を果たした女性州首相となった。しかし、このところ支持率が低迷していて、来年10月の次期州選挙まで1年を切り、党内求心力を失っていた。
州労働党は15日に議員総会を開き、次期代表(州首相)を選出する。パラシェイ氏は、後継にスティーブン・マイルズ副首相を指名した。
クイーンズランド州は人口約520万人とオーストラリア国内で3番目の規模がある。世界最大の珊瑚礁群グレート・バリア・リーフやビーチ・リゾートのゴールドコーストといった観光資源が豊富で、石炭や炭層ガスなどのエネルギー資源にも恵まれている。牛肉や穀物、サトウキビといった農産物の有力な産地でもある。州都ブリスベンは国内第3の都市として急発展しており、32年に夏季五輪・パラリンピックが開催される。
■ソース
‘I have given it my all’: Queensland Premier Annastacia Palaszczuk to retire from politics(SBS News)