新会社の価値は8,400億円規模に
オーストラリア在住者に馴染みが深い薬局フランチャイズ・チェーン最大手のケミスト・ウェアハウス・グループ(CWG)が、同業のアムカルなどを運営するシグマ・ヘルスケアとの合併を目指す。実現すれば、同国を代表する巨大小売企業が誕生することになる。シグマが11日、オーストラリア証券取引所(ASX)への声明で発表した。
シグマによると、新会社の株式総額は88億豪ドル(約8,400億豪ドル)とされ、シグマの8億豪ドルの約11倍となる見通し。新会社はASX上位200社の株価指数「S&P/ASX200」の構成銘柄となる見込み。
企業規模がより小さい上場企業のシグマが「スキーム・オブ・アレンジメント」と呼ばれる手法で、はるかに大規模な非上場企業であるCWGを取得する。現地メディアは、いわゆる「逆さ合併」(リバース・テイクオーバー)になると報じている。
シグマ株を7億豪ドル(約670億円)で交換し、新会社の85.75%をCWG株主が、14.25%をシグマ株主がそれぞれ握る。CWGの共同創業家であるベロッチ家とガンス家が、新会社の株式の49%を所有する。シグマのマイケル・サメルズ会長とビケシュ・ラムサンダー最高経営責任者(CEO)がそれぞれ新会社の会長とCEOに就く。
2024年下期の手続き完了を目指す。合併が実現するには、独禁当局のオーストラリア消費者競争委員会(ACCC)や裁判所、シグマの議決権を有する株主の75%以上の承認が必要となる。
ケミスト・ウェアハウスは1970年代にメルボルンで創業した薬局が源流で、2000年に現在の社名となった。公共放送ABC(電子版)によると、現時点でオーストラリア国内に約600店、ニュージーランドに42店、アイルランドに6店、中国に6店を運営している。マイ・ケミストのブランドの薬局17店、美容品小売のウルトラ・ビューティー17店なども手がけている。
シグマは、アムカルやディスカウント・ドラッグ・ストアーズ、ガーディアン、ファーマセーブなどのブランドで国内約400店など合計1,200店を運営している。
■ソース
What does the Chemist Warehouse merger with Sigma Healthcare mean for the pharmacy giant?(ABC News)