46歳 労組関連のアドバイザーなどを経て政界入り
オーストラリア北東部クイーンズランド州の与党労働党は15日午前、議員総会を開き、10日に辞任を表明したアナスタシア・パラシェ党首(州首相)の後任にスティーブン・マイルズ副州首相を選出した。地元メディアが報じている。
右腕の副州首相には、キャメロン・ディック州財務相を選んだ。マイルズ氏は同日午後、ディック氏とともに、英国王の名代、ジャネット・ヤング州総督が執り行う認証式を終え、国内第3の人口規模があるクイーンズランド州の第40代州首相に就任した。週明け18日に閣僚人事を発表し、新内閣を発足させる。
パラシェ氏はマイルズ氏を後継指名していた。シャノン・フェンティマン州保健相も党首選に名乗りをあげたが、支持を集めることが困難と判断して出馬を断念。全会一致の無投票当選となった。
オーストラリア労働党は、伝統的に派閥の影響力が強い。英紙「ガーディアン」豪州版(電子版)は「党内左派の最大勢力である連合労働者組合(UWU)出身のマイルズ氏が、(後継争いの)トップランナーとなった」と伝えた。フェンティマン氏を推す豪州製造業労働者組合(AMWU)系の左派、ディック氏を支持する豪州労働者組合(AWU)系の右派と調整の結果、マイルズ氏への一本化に奏功したもようだ。
マイルズ氏は1977年ブリスベン生まれの46歳。クイーンズランド大学で学士号(人文学)、博士号(哲学)を取得後、労組関連組織のアドバイザーや州政府の政策顧問などを務めた。2010年連邦議会選挙で敗北したが、15年州議会選挙で初当選した。同年発足したパラシェ政権で州環境相、州保健相、州地方開発相などを歴任。20年1月には州保健相として新型コロナウイルス感染拡大の緊急事態をオーストラリア国内で初めて発令した。20年5月から副州首相に就いていた。
■ソース
Hon Dr Steven Miles(Queensland Parliament)
Labor elects Steven Miles as Queensland’s 40th Premier(news.com.au)