半年弱で2,000件以上 前年同期比50%増
カスタマー・ハラスメント(カスハラ=客が企業に対して度を超えた理不尽なクレームや嫌がらせをすること)どころの話ではない。オーストラリアのスーパーマーケット「ウールワース」やディスカウント店「ビッグW」などを運営するウールワース・グループはこのほど、今年7月以降、客から従業員に対する暴力、暴言、虐待などの事例が系列店全体で合計2,093件、1カ月当たり平均420件報告されたと発表した。前年の同じ時期と比べて50%増加したという。
ウールワース・グループのブラッド・バンドゥッチ最高経営責任者(CEO)は声明で「顧客の99%は尊厳を持って私たちのチームに接してくれていますが、残念なことに、攻撃的で時として暴力を振るうお客さんが、コロナ禍以降、著しく増えているのです」と指摘した。
同CEOによると、最近2週間だけを見ても、従業員が殴られたり、つばを吐きかけられたり、野球のバットや鉄製の棒、ナイフで脅されるといった例が報告されている。家庭に商品を配送中の運転手が拳銃で脅され、車外に引きずり降ろされる事件もあった。同CEOは「従業員にリスペクトを持って接してください」と呼びかけている。
同社は今年度、客の暴力からスタッフを守るため、4,000万豪ドルの予算を投じて店内の監視カメラの改修など治安対策の強化に努めている。加えて、暴力事件を想定したスタッフの訓練や、客に注意喚起を呼びかける店内放送やポスターの設置も始めている。
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