3割が「タバコもうやめた」 愛煙家の中心は中高年層にシフト
オーストラリア統計局は15日、国民の健康に関する統計を発表した。これによると、日常的にタバコを吸う人が成人人口に占める割合は、2022年に10.6%まで低下した。22.4%だった01年と比べると約20年間でおよそ半分に縮小した。
年齢別では「55歳〜64歳」が14.9%と最も高く、11-12年度(14.2%)からむしろ増えている。次に多いのが「45歳〜54歳」(13.8%)だが、この年代では11-12年度(20.2%)から大幅に減少している。
これより若い世代でも10年前と比較して喫煙率は減っている一方、55歳以上の各世代ではほとんど変化がない。若者の喫煙者が大幅に減る一方で、中高年に差し掛かった層がなかなかタバコを止めらないという傾向がうかがえる。
かつてタバコを吸っていて現時点で止めている人の割合は29.6%と3人に1人近くに達した。これまでに一度も吸った経験のない人の割合は58.3%と11-12年度の51.1%から大幅に上昇した。
低所得者ほど喫煙率高い!?
生活環境や所得の水準が低い地域ほど喫煙率が高い傾向も明らかになっている。「社会的・経済的に恵まれていない度合い」をABSが5段階に分けた地域別で見ると、第1段階「最も恵まれていない地域」の喫煙率は18.1%だったのに対し、第5段階「最も恵まれている地域」は5.4%と3分の1以下だった。
オーストラリア連邦政府は喫煙者を減らすためタバコ増税を繰り返してきており、税率や価格は先進国でも指折りの水準まで跳ね上がっている。大手スーパー「コールズ」では現在、平均的な25本入りの紙巻きタバコ「ロングビーチ」の価格は1箱46豪ドル(約4,400円)。タバコ代の負担は、喫煙率が高い低所得者層ほどダメージが大きくなっている。
なお、日本の厚生省の「国民健康・栄養調査」によると、20歳以上で習慣的に喫煙している人の割合は16.7%(19年)。一般的な20本入りの紙巻きタバコの価格は500〜600円となっている。
企業の駐在や留学、ワーキングホリデーなどでオーストラリア渡航が決まった喫煙者は、この機会に禁煙するしかない!?
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