体長16メートルのナガスクジラ 救出作戦もむなしく
公共放送ABC(電子版)によると、オーストラリア東部ニューサウスウェールズ州コフス・ハーバーの北約60キロの砂浜に22日未明、大型のクジラが漂着した。レンジャー(保護官)やボランティアが救命を試みたが、衰弱していて回復の見込みがないと判断し、安楽死させた。
ビーチの波打ち際に漂着したのは、体長16メートル、推定体重25トンのナガスクジラ。平均体長20メートル前後とシロナガスクジラに次いで2番目に大きい海洋哺乳類とされる。
専門家によると、ナガスクジラはオーストラリア周辺では温帯の深い海に多く生息していて、海岸にほとんど近寄らない。しかし、漂着した個体にはサメに噛まれた痕があり、襲われる前から弱っていた可能性があるという。
ニューサウスウェールズ州環境省・国立公園野生動物サービス局のブリット・アンダーソン氏はABCに「協議の上で、この個体にとって最適な選択肢は安楽死だという決定が下されました」と述べた。ナガスクジラの生態は、分かっていないことが多い。死骸の試料を採取して漂着の理由などを詳しく調べる。
海洋動物の保護や飼育などを行っている「コフス・コースト野生動物サンクチュアリー」のティガ・クロス代表は「私たちは(安楽死が)決定されるまで、クジラの身体にタオルをかけて注水するなどできる限りの努力をしました」と語った。
■ソース
Beached whale weighing up to 25 tonnes at Minnie Water on NSW north coast euthanased(ABC News)