12月の上昇率は2月以降で最小に
住宅情報会社「コアロジック」によると、2023年12月末時点のオーストラリアの住宅価格指数(HVI)は、全国平均で前年の同じ時期と比較して8.1%上昇した。全国の価格の中央値(戸建てと集合住宅の平均)は75万7,746豪ドル(7,320万円)だった。
HVIはコロナ禍の超低金利を背景に21年に24.5%の大幅な上昇を記録した後、22年は利上げの逆風を受けて4.9%下落していた。
前月比では23年3月以降9カ月連続となったが、上昇率は0.4%と23年11月の0.6%から減速。反発してきた住宅市況が踊り場を向かえた可能性もある。
コアロジックのティム・ローレス調査部長は「全国平均のHVIの上げ幅(前月比)は、上昇に転じた23年2月以降で最小となった。前月比の上昇率は22年5月に1.3%でピークアウトした。その後の6月と11月に(豪準備銀=RBAの)利上げがあり、生活コスト高騰が続いていること、住宅購入がいっそう難しくなっていること、売り出される物件の在庫の増加、消費者マインドの悪化を背景に、年後半に住宅市場の熱気を次第に冷ましていった」と解説した。
2024年は景気が下り坂に向かって消費が冷え込むと見られる一方、下半期には住宅価格には追い風となる利下げも予測されている。これらの相反する要素が、不動産市場にどのような影響を与えるかが注目される。
なお、都市別の年間の上昇率は、西オーストラリア州パース(15.2%=中央値66万754豪ドル)、北東部ブリスベン(13.1%=同78万7,217豪ドル)、東部シドニー(11.1%=同112万8,322豪ドル)、南オーストラリア州アデレード(8.8%=同71万1,604豪ドル)、南部メルボルン(3.5%=78万457豪ドル)の順に高かった。
■ソース
News & Research, Australian home values surge 8.1% in 2023(CoreLogic)