失業率は26年に4.6%まで上昇
オーストラリアでは今年以降、長期トレンドを下回る比較的低い成長が長続きしそうだ。国際通貨基金(IMF)が18日に発表した経済見通しによると、オーストラリアの2024年の国内総生産(GDP)の成長率(予測値)は1.4%と23年の1.8%(同)から減速する。23年10月時点の前回の予測値(1.2%)と比べ、0.2ポイント上方修正した。GDP成長率はその後、25年2.0%、26年2.2%、27年2.3%、28年2.3%(いずれも10月時点の予測値と同じ)と緩やかに回復する。
消費者物価指数(CPI)の上昇率(予測値=年間平均)は、23年5.8%、24年4.0%、25年3.2%と次第に低下するが、中央銀行・豪準備銀(RBA)のインフレ目標(2〜3%)の範囲内まで下落するには26年(2.8%)までかかる。
失業率は(予測値)、歴史的低水準となった23年の3.7%から24年4.2%、25年4.4%と上昇し、26〜28年の3年間は4.6%と比較的高水準で推移する。ただ、前回の予測値(27年・28年4.9%)からは改善する。
IMFはオーストラリア経済の現状と今後の見通しについて、次のように予測している。
「オーストラリアのパンデミック(コロナ感染拡大)後の景気回復は依然として力強いものの、金融引き締めを背景に成長は鈍化している。インフレはピークを打ったが、引き続き高水準にある。労働市場に軟化の兆しがあり、需給ギャップのプラス幅は縮小している。経済は短期的には回復力を維持するが、生産性の伸びは引き続き減速する。景気の上振れリスクとしては、高水準の移民の受け入れがある。金融市場が不安定化するリスクは引き続き抑制されるが、国際金融市場のリスクと脆弱性にさらされる可能性がある」
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