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オーストラリア・デイめぐり変わる歴史認識 今年も主要都市で「侵略の日」に抗議

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81の自治体が別の日に式典開く

1月26日は愛国心の高揚と国威発揚の日から「侵略の日」へと認識が変わりつつある(Photo: engin akyurt on Unsplash)

 英国の第一船団(ファースト・フリート)が1788年1月26日にポート・ジャクソン(シドニー湾)で入植を開始した記念日で、国民の祝日「オーストラリア・デイ」を祝う式典が26日、全国各地で開催された。一方、先住民に対する「侵略の日」だとして、オーストラリア・デイに反対する抗議集会が今年も主要都市で開かれた。

 公共放送ABC(電子版)によると、最大都市の東部シドニーでは夜明けとともにオペラ・ハウスの壁面が先住民をデザインしたアートでライトアップされ、東郊のボンダイ・ビーチなどでは先住民の伝統的なセレモニーと踊りが披露された。

 首都キャンベラではこの日にオーストラリア国籍を取得した人を祝福する式典が催された。出席したアンソニー・アルバニージー首相は「今日、世界中からやって来た多様な信条と背景を持つ1万5,000人以上の人々がオーストラリア人となり、民主主義、私たちの法律、私たちの価値観、国民に忠誠を誓った」と述べた。

 一方、シドニーやメルボルン、ブリスベンなど全豪の主要都市では、オーストラリア・デイの廃止や日付の変更を求める市民の抗議集会が開かれた。この日は日本の建国記念日や米国の独立記念日に相当し、愛国心が高揚する祝日となっているが、近年では欧州人によるオーストラリア大陸の侵略と先住民への迫害が始まった日との認識が浸透しており、リベラル勢力を中心に反対論が広がっている。

 こうした歴史認識の変化を背景に、中道左派の連邦労働党政権は昨年、オーストラリア国籍取得者を祝福するオーストラリア・デイの式典の日付を前後3日以内に変更できるよう法改正した。ABCによると、今年は少なくとも81の自治体が別の日に式典を開催するという。

■ソース

Australia Day: Prime Minister Anthony Albanese celebrates those becoming citizens in citizenship ceremony(ABC News)

Thousands gather at Invasion Day rallies, calling for rethink of Australia Day(ABC News)

Local councils move Australia Day ceremonies from January 26 as attendance declines(ABC News)





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