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年末のクリスマス商戦は不発 ブラックフライデーの安売りセールが先食い

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12月の小売売上高、前月比2.7%減 過去最大級の下げ幅

 オーストラリアでは、年末の小売売上高が急ピッチで落ち込み、個人消費の冷え込みが加速していることから、市場では早期利下げも意識され始めたようだ。

 オーストラリア統計局(ABS)が30日に発表した月次の小売統計によると、2023年12月の小売売上高は季節調整値で351億8,720万豪ドル(約3兆4,300億円)と前月比で2.7%減少した。市場予想の1.0%減(ロイター通信)を大幅に下回るネガティブなサプライズとなった。

小売売上高の増減率の推移(棒グラフは前月比、折れ線グラフは前年同月比)(出典:オーストラリア統計局)

 公共放送ABC(電子版)によると、前月比2.7%減は、2000年の10%財・サービス税(GST)導入やコロナ禍の非常時を除くと、統計記録が残る過去40年間で最大の下げ幅となった。前年同月比では0.8%増加したが、急増している人口の伸びを下回る弱い伸びにとどまった。

 小売売上高は23年10月に前期比0.2%減となったが、11月はブラックフライデー商戦の盛り上がりを背景に1.6%増(いずれも今回の改定値=前回の速報値とは異なる)と好調だった。

景気減速、5月までに利下げ開始!?

 ABSの小売統計部門の責任者を務めるベン・ドーバー氏は「小売売上高が12月に大きく落ち込んだのは、非必需品(ぜいたく品)消費の落ち込みによるところが大きい。消費者がブラックフライデーのディスカウントの恩恵を受けるため、買い物を12月から11月に前倒した」と分析した。

 商品別では、家庭用品(前月比8.5%減)や百貨店(8.1%減)、服飾・靴・アクセサリー(5.7%減)などの落ち込みが激しかった。カフェ・レストラン・テイクアウト食品は1.1%減にとどまった。

 経済成長に与える影響が大きい個人消費の落ち込みが改めて浮き彫りになったことで、中央銀行・豪準備銀(RBA)が早期に利下げに踏み切るとの観測も浮上している。英経済調査会社キャピタル・エコノミクスのアナリストはABCに「多くのエコノミストが予想している9月よりも早く、RBAは5月までに利下げを開始するだろう」と指摘した。

 金融政策を占う上で、インフレの動向も注目される。ABSは31日、23年10-12月期の四半期消費者物価指数(CPI)統計を発表する。ロイター通信によると、市場予測(30日時点)は4.3%上昇(前期の実績は5.4%上昇)と過去2年で最も低い水準を想定している。

■ソース

Retail sales fall in December following Black Friday(Australian Bureau of Statistics)

Retail sales post biggest monthly slump outside of COVID, GST introduction(ABC News)

Australian retail sales shift into reverse in December(Reuters)





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