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ワーホリ生活をしっかりとキャリアにつなげるには?/ビザ・コンサルタントが解説するワーホリのメリット①

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第1回:ワーキング・ホリデー制度の背景や意義

はじめに

 皆様、こんにちは。東京を拠点にオセアニア・ビザ・コンサルティング事業を運営している、AOMビザ・コンサルティング代表・足利弥生と申します。

 2024年もあっという間に2月後半となり、日本では冬のスキー・シーズン真っ盛り、多くのオーストラリア人が来日し、若い人はワーキング・ホリデーとしてスキー・リゾートで勤務している人も多いと思います。コロナ明けの入国解禁となった2021年12月以降、経済回復の促進目的に、オーストラリアは政府を挙げて大々的にワーキング・ホリデー誘致をしたこともあり、日本からのワーキング・ホリデー・メーカーが急増しました。日本のメディアでも昨今の円安状況から「出稼ぎワーホリ」として何かと話題になっており、その報道内容や現状について残念に感じています。

 ワーキング・ホリデーは、日本では1980年から始まった制度で、オーストラリアは協定国第1号として最も歴史が長いことから、現在もワーキング・ホリデー協定国で最多人数が流入しています。皆さんの周りにもきっとたくさんのワーキング・ホリデーメーカーがいらっしゃると思います。そして今はオーストラリアで永住者としてさまざまな分野で活躍し、ビジネスで大成功している方々がいらっしゃるのも事実です。

 今回、この連載を執筆させて頂こうと思った最大の理由としては、私自身がワーキング・ホリデーの経験者であり、この経験なくして、現在のキャリアは皆無であり、こうしてオーストラリアとのつながりができることはありえませんでした。そうした背景からもう少し日本の皆様にこの制度の背景や意義、そしてぜひ多くの若者に将来のキャリアに向けて、ワーキング・ホリデーの活用についてお話できたらと思います。

ワーキング・ホリデーからのキャリア

 かつてワーキング・ホリデーの協定は3カ国しかなく、オーストラリア、カナダは25歳以下、ニュージーランドのみが30歳まで渡航できました。私は、音大卒業後、新卒で就職した航空会社系列会社に3年間勤務。幼少のころからどうしても海外で働きたいという思いがあり、その際、ワーキング・ホリデーしか選択肢はないと考え、まずは一番観光業が盛んなオーストラリアと決めていました。

 当時、ワーキング・ホリデーは大人気で、オーストラリア大使館にビザ申請に行ったところ、その年は発給数に達し、取得できないという事態が起き、既に退職届も出していたため、予定していなかったニュージーランドへ急遽ワーキング・ホリデーに行くことになりました。そのころ、オセアニアは日本人による観光ブームでハネムーン先として大人気でした。

 そのため、観光業で就労することを目的に旅行主任者資格を渡航前に取得し、現地到着後、あらゆる旅行会社へ面接に行き、最終的にクィーンズ・タウンという街でツアー・ガイドとして勤務することになりました。

 観光ブームの背景には、たくさんのワーキング・ホリデー就労者の支えがありました。それによって多くの日本人観光客が訪問し、仕事は大変充実していました。しかし、将来を考えると日本でのキャリアが自分にとって関心が高く、帰国後、旅行会社などで働くことを描いていましたが、偶然、オーストラリア大使館の仕事にご縁があり、査証課(ビザ・セクション)で勤務することになりました。

 それまでオーストラリアに行ったことがなかったのですが、ビザは旅行業、そして、航空関係にも関連する知識もあり、過去の経験も大いに役立ちました。大使館に入り、すぐにワーキング・ホリデーの審査官などを担当したことがとても奇遇に感じました。実務からオーストラリア移民政策について知る機会が多く、大使館勤務時代に世界初の「オンラインでのワーキング・ホリデー申請」「セカンド・ワーキング・ホリデー」が開始され、その広報や国の政策というものを改めて知り、非常にユニークだと感じました。

 また、同僚のオーストラリア人の中には、ワーキング・ホリデーで日本に来たという人も少なくなく、ワーキング・ホリデーという共通点を持っていることに気が付きました。大使館での審査官実務は非常に興味深く大変勉強になりましたが、新たなチャレンジということで、リーマン・ブラザーズに転職しました。しかし、世界金融危機に直面し、2年であっというまに破綻……。想定外なことが起き、途方にくれていたところ、元同僚の皆様からの応援もあり、オーストラリア・ビザコンサルティング事業を起業することになりました。

 ふとワーキング・ホリデーでニュージーランドに渡航したことが、全ての道を作ったということは間違いないです。国は異なりましたが、ニュージーランドはオーストラリアと移民法が類似しているため、移民弁護士と連携し、現在は、オセアニア両国サポートしています。

 ニュージーランドは第二のふるさとのような国であり、あの時温かく迎えてくれた多くの皆様に今でも大変感謝しており、ビジネスで訪問できるようになったことをとても幸せに感じています。オーストラリアとの懸け橋となって早20年以上、これが私のキャリアになりました。

同連載を通して伝えたいこと

 ワーキング・ホリデー制度は、18~30歳の若者が自由に就学や仕事をすることができる非常にフレキシブルなビザを獲得でき、活用方法は本当に自分次第と思います。ただし、充実した1年を過ごすためには何を目的にするかなど準備が必要です。オーストラリアには日本人に限らず、大変多くの国からワーキング・ホリデー・メーカーが就労や自国ではできない経験を求め訪れ、その後の人生に役立てます。

 半面、私は、日本のメディアや日本社会におけるワーキング・ホリデーの印象は残念ながら少々偏ったイメージがあると感じています。そのため、ワーキング・ホリデー制度を利用する若者のみならず、もう少しこの制度について、若者が日本に帰国した後、就労先として関わる企業や、インバウンドを中心に事業をしている方々に向けて、なぜオーストラリア政府がこの制度を移民政策の1つの柱としているかという観点なども含め、お話していきたいと思います。

AOM Visa Consulting

足利弥生
■住所:〒105-6027 東京都港区虎ノ門4-3-1 城山トラストタワー27階
■Tel: +81-3-4540-6305
■Web: https://aom-visa.com
■Email: info@aom-visa.com
■営業時間: 月〜金 9AM〜5:30PM(日本時間)

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