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S東京ベイで活躍するバーナード・フォーリー選手に注目/Go! ワラビーズ in Japan

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ノーサイド後、チーム・メイトと談笑するフォーリー選手

 試合を取材するのため2024年4月27日、バーナード・フォーリー選手が所属する、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(S東京ベイ)のホーム「スピアーズえどりくフィールド」に向かった。

 今シーズン、チャンピオン・チームが苦しんでいた。接戦を勝ち切れないゲームが続いていた。フォーリー選手が、昨年12月24日のゲーム以降、負傷離脱していたことも大きい。経験値の高い、キックの正確性の高いSOを欠いたのは痛かったはすだ。

アルゼンチン代表のパブロ・マテーラ選手(三重H)

 この日の対戦相手は、アルゼンチン代表のパブロ・マテーラ選手を擁する三重ホンダヒート(以下、三重H)。前半のスタートから、三重Hは積極的に仕掛け、2トライを奪う。PGも決めて、0─17でリードを奪った。しかし、前半35分からS東京ベイの反撃が始まる。立て続けに2本のトライを決め、フォーリー選手も2本のゴール・キックを難なく決め、14─17で前半を終えた。

オーストラリア代表キャップ76、この試合で6つのゴール・キックを成功させたフォーリー選手

 続く後半は、S東京ベイが完全に主導権を握った。開始直後にNo.8のファウルア・マキシ選手がトライを、フォーリー選手がゴール・キックを決め、21─17と勝ち越した。その後、フォーリー選手がトライとゴール・キックを決めて28─17。更にS東京ベイは5本のトライと4本のゴール・キックを重ね、61─24で勝利した。

相手選手のディフェンスを振り切ろうとするウェールズ代表、リアム・ウィリアムズ選手(S東京ベイ)

 フォーリー選手においては、1トライ、6ゴール・キック成功、キック成功率100%でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選出された。ディフェンスもオフェンスも彼の良さがよく出ていた。

 少々さかのぼった話になってしまうが、どうしてRWC(ラグビー・ワールド・カップ)2023フランス大会で、背番号10番を背負っていたのが彼ではなかったのか……。今思い返しても、不思議でならない。

トライを決めるフォーリー選手

 もう1人、今後注目して頂きたいのが、フォーリー選手の相方であるSH藤原忍選手だ。攻撃的SOと表現したら良いのだろうか。とにかく面白いプレーを見せてくれる、これからが楽しみな若手SH。ぜひ、覚えておいて欲しい。

 この日、トップ・リーグ、リーグ・ワンを通して、チーム公式戦通算150キャップを記録したのがキャプテンの立川理道選手だ。立川選手と言えば、2014年にACTブランビーズに加入したことから、本コラムでインタビューをさせて頂いた思い出がある。とても好青年だった印象が鮮明に残っている。

かつて本コラムの独占インタビューに応じてくれた立川理道選手(S東京ベイ)。この日達成したリーグ・ワン(トップ・リーグ時代含め)150キャップ記念Tシャツを着ての登場

 ホームの「スピアーズえどりくフィールド」で、このような記念のゲームを迎えられたことは、単なる偶然ではなく、立川選手が持っている不思議な力なのかもしれない。この先も記録の更新を見守っていきたいと思う。

 一方、シーズンを締めくくるプレーオフ・トーナメントは、埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)、東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)、東京サントリーサンゴリアス、横浜キャノンイーグルスの4チームで行われた。いずれも、白熱したすばらしいゲームが展開された。その証拠に、埼玉WKとBL東京の決勝戦が行われた国立競技場には5万6486人が集まった。結果は20─24でBL東京が勝利を収めた。日本のラグビー人気はまだまだ続きそうだ。

 さて、この「Go! ワラビーズ in Japan」は09年に日本で行われたブレディスロー・カップをきっかけに始まり、以来、元ワラビーズの選手らが日本で活躍する姿を追って来た。

 初回は、当時、九州電力キューデンヴォルテクスに在籍していたネイサン・グレイ氏のインタビュー。その後も、スティーブン・ラーカム氏やジョージ・グレーガン氏を始め、オーストラリア・ラグビー界のレジェンドからたくさんの貴重な話を伺うことができた。いずれも興味深い話ばかり。そして、皆さんジェントルマンで本当にすてきな人ばかりだった。

 そんな彼らのすばらしさ、そしてラグビーのすばらしさを、一体どれほど伝えられたのかと振り返ると、物足りなく感じたり、もっと違う方向から切り込めたかもしれないと思ったり、反省は多いものの、その時その時を私なりの言葉でお伝えしてきたつもりだ。そして、今回が最終回となる。

 本コラムをご覧の方々を始め、選手、チーム関係者の方々に支えられて今日までやってくることができました。今まで本当にありがとうございました。関わってくださった皆様に深く感謝しております。この場を借りて御礼申し上げます。

 愛するワラビーズ! 強くても弱くてもワラビーズを永遠に応援し続けていきます! 皆さんとはいつかどこかのスタジアムでお会いすることがあるかもしれません。その時は一緒に応援しましょう。それではまた会う日まで。Ciao!

このコラムの著者

山田美千子

山田美千子

ラグビーに魅せられおよそ20年。「強い時も弱い時も、ナンバー・ワンはいつでもワラビーズ!」と、自他共に認めるワラビーズ・オタク。歴代の愛犬の名前はワラビーズ選手が由来。得意なことは、ワラビーズの次世代エースを見つけること。苦手なことは、写真を撮られること





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