
あの「BBKコラム」が帰ってきた! かつて『日豪プレス』編集部で奮闘していた馬場一哉氏(現同社代表)が綴っていた人気連載が、今回は「子育てパパ奮闘編」として復活。本記事では、編集部員からオーナー社長、そして父親へと変化した著者の“激動の日常”を、コミカルにまとめてお届けする。コーヒー片手に、のんびりとお楽しみを。
帰ってきたBBKコラム 、子育てパパ奮闘編(?)記事リスト
生後2週間、一路ハンターバレーへ

初のブルー・マウンテンズ訪問(2012年6月)から、永住権を獲得するまでの自らのヒストリーなど(17年12月)、5年半にわたりお届けしてきたBBKコラムを、このたび装い新たに復活させる運びとなった(15年7月~17年5月までは「BBKダイエット」と称した体当たりダイエット企画に鞍替え、約20キロのダイエットに成功、そして絶賛リバウンド中)。
時にナイトクラブへと潜入、時に来豪中の元AKBアイドルの追っかけ、また時に「カウラ大脱走」など歴史が生んだ日豪間の歴史の因縁へ思いをはせたりなどしてきたが、振り返ると結局はラーメンのことばかり書いていた気がする。だがそんな自由な姿勢は忘れないようにしつつ、新シリーズは「子育てパパ奮闘編(?)」と題し、子育てを軸に書いていこうと思う。
詳しくは:https://nichigopress.jp/topics-item/205655/
ブルー・マウンテンズでの邂逅、珠玉のハンター・ワイン

7月中旬、友達のエリーが日本から遊びに来てくれたため、泊まり掛けで一緒にブルー・マウンテンズへと出掛けた。彼女とはシドニーで趣味を通じて知り合った仲だが、私よりひと回り以上若いにも関わらず気が合い、よく飲みにも行った。私の日本帰国の際には箱根へ旅行、一緒に冬の温泉街をそぞろ歩いたことを思い出す。
ブルー・マウンテンズを訪れるのは久々だった。青、緑、茶色を基調とした色が織りなす美しくダイナミックな景観に息を呑み、澄んだ空気を体の隅々にまで行き渡らせ、やがて日暮れの時間を迎えた。
宿泊は森の中にひっそりと佇む隠れ家風アコモデーション。リビングのソファでくつろぎながら、まずはビールで乾杯。私もお酒は飲める方だが、いつもながら彼女の1杯目のビールを飲み干すスピードにはかなわない。
詳しくは:https://nichigopress.jp/topics-item/45037/
新宿の帝王、ブルー・マウンテンズの洗礼を浴びるの巻

中高時代、僕は新宿の学校に通っていた。「ダンジョン」「地下迷宮」、巷では構造の複雑さゆえそのように表現される新宿駅は僕にとっては勝手知ったる庭。そのため、当時、駅構内はもちろん周辺エリアを含め、あらゆる場所のトイレを僕は把握していた。
トイレ自体の位置はもちろん、ペーパーの交換頻度、清潔さなど、新宿の周辺トイレ事情に精通、問われれば多角的な観点から情報を提供できるため、仲間内で「新宿の帝王」と呼ばれていた。栄光の時代だった。だがその称号は、今や全く役に立たない。新宿で天下を取った気になっていた僕は井の中の蛙であった。
詳しくは:https://nichigopress.jp/topics-item/48655/
スマホ、タブレットに子どもが夢中! その功罪を真面目に考えてみる(1)

「息子がアイパッポー(本人はそう発音している)に夢中になっている姿をみて、これっていつもケータイいじっている大人も同じかと思った。アイパッポーを子どもに与えるととても静かになり大人しくなる。私はひと時の自由を手にできる。外食ができる。買い物ができるようになる。でもその代わりに子どもがアイパッポーの中毒になり、目が悪くなる。いつもその狭間で心は揺れ動いている。勝手に遊んでくれるので、シドニーの自宅ではほとんどアイパッポーを与えていないが、旅行中、おもちゃにも限りがあるので、アイパッポーも仕方ないか、とも思う。」
詳しくは:https://nichigopress.jp/topics-item/53954/
ほふく前進からの柳沢敦さんとの出会い、マングローブの森探検

さて、なぜいきなりほふく前進の夢の話から始めたのかといえば、この夢を見て目覚めた日がちょうど来豪していた鹿島アントラーズ・ユースの試合観戦の日だったからだ。大のサッカー日本代表好きのMEGはユース・チームで監督などを勤めている柳沢敦さん、小笠原満男さんら、元日本代表の来豪に目をキラキラさせていた(ニュース記事は「鹿島アントラーズ 日豪プレス」で検索)。ほふく前進の夢に「夢って面白いな」と思っていた矢先、日本代表選手に会うという妻の1つの夢がかなう。これも何かしらの符牒化か(そんなわけはない)。当日は柳沢さんと僕以外の家族は写真を撮ることができてご満悦だった。せっかくなので写真を掲載しておこう。
詳しくは:https://nichigopress.jp/topics-item/62603/
猫の恩返し? そして次世代「シドニー・ラーメン事情」

「私はアビー。BBKとはもう16〜17年ほど一緒にいる。途中からMEGが加わり、私たちは平和に暮らしていたけれど3年くらい前に、カイトという小さい人間がうちに来てから私のポジションは大きく変わった。今までのようにBBKの布団に入り込もうとすると『邪魔』とぞんざいに扱われるようになった。『ドライフードはもう嫌。もっと柔らかいご飯頂戴』ってねだっても『今皿に入っているものから食べろ』と怒られる。トイレ掃除の頻度も以前とは雲泥の差。ひどいよね。でも、今日はBBK、なんだか本当に辛そうだから、少しだけ寄り添ってあげる」
朦朧とした意識の中、そんなアビーの心の声が聞こえてくる(気がした)。ごめんねアビー、優しくできなくて。僕たち夫婦は子どもたちの面倒に必死になり、アビーにさみしい思いをきっとさせてきた。コロナへの感染で「ああ本当に味覚なくなるんだな」とか、今この原稿を書いている瞬間もまだひどい倦怠感が残っていたり、しんどさはあるもののアビーへの暖かな気持ちを取り戻すことができたのは病でいったん立ち止まることができたからかもしれない。
詳しくは:https://nichigopress.jp/topics-item/68751/
パナドール、ニュロフェン、ジェネリック──結局どれが一番いいの?

──同じ成分で値段が違う薬がたくさんありますが違いは何なのでしょう。
「基本的には特許料というか、ブランド料と思えば良いでしょう。オーストラリアに限らずアメリカでも昔からある有名な薬が高めで、薬局のオリジナルブランドだとその1/3の値段で売っているというようなケースはよくあります。ブランドで売っている会社は値段を維持したいので、早く効きやすくするために薬のカプセルの包み方を工夫するなど、化学薬品以外のところで付加価値を付けています。イブプロフェンの場合は胃が荒れやすいので胃酸を抑える薬が一緒に配合されるなどといった付加価値もあるでしょう」
詳しくは:https://nichigopress.jp/topics-item/74994/
メルボルンで起きた、一夜の“奇跡”

「ん? 引き手が取れている?」
僕のスーツケースは2つの引き手部分をそれぞれの穴に“かちり”とはめる昨今主流のタイプのものだが、引き手が穴にはまっていなかったのだ。
暗証番号をセットすればロックされるが、していなければボタンを押せば外れる。
「セットし忘れ、何かの拍子で外れた?」
そんなことを考えながらスーツケースを開けると入れた覚えのないスカーフが目に入る。
「メルボルンは寒いからと妻が気を利かせて追加してくれたのか」
感謝の気持ちすら抱きながら荷物をまさぐるが、すぐに自分のものが1つも入っていないことに気付く。そのスーツケースは、なんと赤の他人のものだったのだ。中に入っているのは全て女性もの、更に服用薬なども大量に入っている。持ち主は高齢の女性に違いない。だが、しかしなぜ?
詳しくは:https://nichigopress.jp/topics-item/82140/
かりそめのエース、そしてすべての道はスラムダンクへ─シドニー日本人会ソフトボール大会

大会前には毎週末練習会が行われ、可能な限り参加したが、初めて迎えた大会、僕には出場機会が与えられなかった。その後も、勝っている試合にスポットで出場することはあったが、数年を経て基本的には飲み会要員としてのポジションをしっかりと確立していくこととなった。仲間も増え、楽しい時間を過ごしてはいたものの肝心のソフトボールではほとんど何の役にも立たない自身に忸怩(じくじ)たる思いもまた抱いていた。
しかし、転機が訪れる。コロナ禍で人も減っていく中、ピッチャーが足りない状況に陥り、急きょキャプテンからオファーがあったのだ。
「BBKさん、投げてみます?」
最初は冗談半分だったのだろう。しかし、僕はそれを真に受けた。コロナ禍でのロックダウン中、日々公園に足を運び、ピッチング練習に励んだ。辛くはなかった。「期待されるのは初めてだったから(人気漫画『スラムダンク』より)」。
詳しくは:https://nichigopress.jp/topics-item/90552/
オーストラリア人スキー客争奪戦再開─「Mr. Kobayashi」奇譚

滞在3日目。僕らは託児所や、2歳から受け入れ可能なスキースクールなど、ファミリー層への対応に力を入れているスキー場「ブランシュ高山」を視察した。ゲレンデに到着すると、出迎えてくれたのは前夜、酒席を共にしたスキー場運営会社・部長の小林(和也)さん。
「今朝は弊社代表をご紹介させてください」
「もちろんです」
「始めまして。代表の小林(和夫)と申します」
代表と部長の姓名が1文字違いであることに驚いていると「このあたりは、小林姓が多いんですよ」とのこと。
そこにちょうどゲレンデ・パトロールの責任者が通り掛かる。
「始めまして。小林です」
君もか。
詳しくは:https://nichigopress.jp/topics-item/101783/
「ブル・タック」と、10年ぶりの「シドニー・ロイヤル・イースター・ショー」

アリサが新たなスキル「メガネ壊し」を習得した。メガネのフレームを左右に広げて破壊するという攻撃技で、このスキルが発動されるともれなくメガネが使えなくなる。RPG的に言えば視界を奪う間接攻撃的な位置付けになるのかもしれないが、何せ、しばらくメガネが使えなくなるためその効用時間は地味に長い(妻の実家では家人のメガネがもれなく破壊、後日、皆が修理に走った)。
幸い僕はこれまで難を免れていたが、ついにアリサの洗礼を浴びることに。夜中の読書に使っている「Reading Glasses」(横文字だと一見いい感じに見えるが老眼鏡)のヒンジ部分が完全破壊され、無残にも180度開脚状態で机に置かれていたのである。
詳しくは:https://nichigopress.jp/topics-item/111918/
『となりのトトロ』に学んだワークスタイル、そしてYouTubeにハマる

アリサが新技「トトロハマり」を覚えた(『となりのトトロ』にハマっている、の意)。時には、朝連続2回〜夜1回と1日に計3回見る日もある。累計の視聴回数は間違いなく80回を超えているだろう。毎朝起きるなり「トトラ見たい」、チャイルド・ケアから戻るなり「トトラ見たい」と言う。たとえ大泣きしていても「トトラ見る?」と聞くと「うん」と言って泣きやむ。我が家の歴史はトトラに助けられてきた歴史でもある。
そんなアリサが4月末に2歳のバースデーを迎えた。もちろん盛大にお祝いしたが、その翌朝、やはり起き抜けに「トトロ見たい」と主張。ん? そう、「トトラ」ではなく「トトロ」と正確に口にしたのである。アリサなりに2歳になったことの証左として、成長を示したのだろう。
詳しくは:https://nichigopress.jp/topics-item/119994/
デジタル時代、子どもの「学び」はどうなる? ポート・ダグラス旅行で見えたヒント

ポート・ダグラスで過ごした数日間、家族と自然に囲まれた時間の中で、改めて「子どもの学びとは何か」を考える機会をもらった。豊かな南国の空気と、親族や子どもたちの笑顔の中で見えた答えは、とてもシンプルなものだったように思う。
僕たちはつい、効率的で便利なものを求めすぎてしまう。子育てでも「どの教材がいいか」「どの習い事が有利か」と、数字や成果で計れるものばかりに目を向けがちだ。しかし、目の前で無邪気に水しぶきを上げる子どもたちを見て、そこにある学びの豊かさに気付かされた。彼らが得ているのは、成績や知識ではなく、人と関わる力、感じる力、生きていく力そのものなのだ。
詳しくは:https://nichigopress.jp/topics-item/207660/
このコラムの著者
馬場一哉(BBK)
雑誌編集、ウェブ編集者などの経歴を経て2011年来豪。「Nichigo Press」編集長などの経歴を経て21年9月、同メディア・新運営会社「Nichigo Press Media Group」代表取締役社長に就任。バスケ、スキー、サーフィン、筋子を愛し、常にネタ探しに奔走する根っからの編集記者。趣味ダイエット、特技リバウンド。料理、読書、晩酌好きのじじい気質。ラーメンはスープから作る。二児の父