オーストラリアの日系コミュニティー・ニュースをお届け!
Japanese Community News
オーストラリアにおける日系コミュニティーのニュースや最新情報を紹介していくと共に、シドニーを中心に各地で行われるセミナーやイベントの告知や報告などを掲載。
「日本の魅力発信」レセプション開催
首都キャンベラ・在オーストラリア日本国大使公邸で
在オーストラリア日本国大使館は11月5日、JET(Japan Exchange and Teaching)プログラムの参加者や文部科学省国費留学経験者など、日本とゆかりのあるオーストラリア人や関係者を招き、更に相互関係を深める機会として「日本の魅力発信」レセプションを日本国大使公邸で開催した。会場には、キャンベラ近郊のJET同窓生や国費留学経験者だけでなく、日本語教師や奈良・キャンベラ姉妹都市委員会関係者、キャンベラの在留邦人、オーストラリア各地から在豪日系企業の代表者、カウラ関係者、邦人プレスなど約140人が訪れた。
会場では茶道のデモンストレーションや和太鼓のパフォーマンスが参加型で行われ、天ぷらや唐揚げ、WAGYUステーキ、すしなどの和食に加え、日本酒や酎ハイなどが振る舞われた。
メルボルン在住のため、今回会場に訪れることができなかったJETプログラム参加者のJayka Bugayさんに話を聞くと、「私は日本に5年間滞在し、これまで学校などで学習したことよりも多くのことを学びました。親友との出会いもあり、日本は私の第二の故郷だと言えます。また、その経験は私の人生とキャリアに大きな影響を与え、現在、日本語教師として活動しています」とコメント。文部科学省国費留学経験者のChavalin Svetanantさんは、「私は1997年に在タイ日本国大使館を通して文部科学省の奨学金を受けました。国費留学制度は、留学したい人びとの間で最も権威があり、競争率の高い奨学金の1つとして知られます。京都大学在学中に得た一生に一度の経験を通して、知的、肉体的、精神的、感情的、そして異文化間で、私の人生のあらゆる側面を完全に変えることになったと言えます。世界に類を見ない日本の高度な知識とスキルを習得したことに加え、現在も実践し続けている日本の価値観と労働倫理について学ぶことができました。私はオーストラリアで10歳の息子を含む3人家族で日本語を母国語として使用していることに驚かれます」と話してくれた。
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会
記念レセプションが開催
11月30日、在オーストラリア日本国大使公邸で2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会記念レセプションが開催された。会場には、東京オリンピック・パラリンピックに参加したオーストラリア人選手及び関係者が約50人集まった。
会場では、コロナ禍の影響で1年延期となり開催された東京大会に参加した選手たちから、安全を確保しながら健康管理を最優先して試合に臨んだことや、選手村で世界中のアスリートをサポートした日本人ボランティアのすばらしさに感動したことなどが語られた。また、来年開催される「神戸2022世界パラ陸上競技選手権大会」で再び日本を訪れることを目標にしている選手の声も多く聞かれた。
男子ボート・フォアで金メダルを獲得したアレクサンダー・パーネル選手や、パラ男子陸上400メートルで金メダルを獲得したジェームズ・ターナー選手、パラ女子走り幅跳びのサラ・ウォルシュ選手、パラ女子陸上車いすのアンジェラ・バラード選手、空手組手75キロ級の八尋恒存選手のインタビューの内容は日豪プレスのウェブサイトに近日公開される。
在シドニー日本国総領事館が「安全対策協議会」開催
在シドニー日本国総領事館は11月25日、「安全対策協議会」をオンラインで開催した。ゲストにはNSW州警察に唯一日本人警官と勤務する馬場玲央奈氏が招かれ、「最近の犯罪情勢について」をテーマに講演を行った。
馬場氏は冒頭、昨今激しさを増しているギャング抗争について説明した。特に、南西部拠点のファミリー間の抗争が激化しており、今年6月に銃撃射殺犯がシドニー北郊レーンコーブに車を乗り捨てた上車体に火を付けた事件、8月に勃発したその報復讐劇、10月に行われた更なる報復襲撃など、2カ月に一度のペースで抗争が起きていることを実例と共に話した。
その後、DV問題について言及。「DVと聞くと夫婦間というイメージがあると思いますが、法律上は、ドメスティック・リレーションシップにある人物の間での行為を指し、器物損壊なども含まれます。性的関係のないパートナーや、シェアメイトなど長期にわたる同居などをしている場合でもドメスティック・リレーションシップに含まれます。相手にお灸をすえるつもりで電話してくるケースもありますが、警察官が駆けつけた際、被害者が冷静になり協力が得られなくても逮捕に至ることは多々あります。警察官自身、対処しないことで罰せられる可能性があるためです」
更に、最近では店舗への入店時に、店側からワクチン接種証明の提示を求められなかったなどといった苦情も多く寄せられているという。
馬場氏は「通報があった場合、記録に残るため必ず捜査をすることになります。その際にきちんと対応していることを示せるよう、しっかりと規制に従うことを心掛けて欲しいと思います」と忠告。
講演後は、在シドニー総領事館・江崎警備対策官が詐欺案件の増加など在留邦人からの相談事例を紹介した。
在留法人向け安全マニュアル「シドニー安全の手引き」は以下、在シドニー日本国総領事館のウェブサイト内「生活・安全」カテゴリーからPDF形式で閲覧可能。
■在シドニー日本国総領事館
Web: www.sydney.au.emb-japan.go.jp/itprtop_en/index.html
テニス・土方凛輝選手、プロ・ツアー3大会優勝
2021年、5大会優勝の快挙
土方凛輝選手(20歳、マックヒジカタ・テニス・アカデミー)が8月30日〜9月5日、スイスで開かれた「M25 Sierre」及び、10月25〜31日、アメリカで開催された「M25 Calabasas, CA」でプロ・ツアー2大会のシングルスで優勝した。また、ダブルスでは10月11〜17日にポルトガルで開催された「M25Loule」で初優勝を果たした。
スイス大会では、準決勝で地元スイスのレミー・ベトラ選手に2セットともタイブレークのタフマッチとなり、土方選手がベトラ選手に7-6(2)、7-6(6)で勝利し、決勝では第2シード、アメリカのオリバー・クロフォード選手を7-6(6)、6-1で退け優勝。同大会はクレー・コートで行われ、土方選手がクレー・コートでプレーするのは2年ぶりとなった。
プロ大会で初の第1シード出場となったアメリカ大会では、プレッシャーが掛かる中、準決勝でアメリカのネイサン・ポンウィズ選手に6-2、6-3と圧勝し、決勝はアメリカのトリスタン・ボイヤー選手に3-6、7-6(-)、6-3と逆転して勝利を挙げた。
ポルトガル大会では、オランダのミック・ベルディア選手と組んでダブルス初優勝を果たし、今回の3大会は前回優勝の1万5,000ドル大会から1つ格上の2万5,000ドル大会となった。土方選手は、わずか4カ月間にシングルス4大会で優勝し、ATPランキングが773位から367位(11月15日現在)まで大幅にアップ。2021年は、7月にチュニジアで行われた「M15 Monastir」及び、アメリカで開催された「M15 Edwardsville, IL」での連続優勝を含め、5大会優勝の快挙となり、驚異的な活躍を見せた。
今後、土方選手はオーストラリアに戻り2022年1月開催の全豪オープン予選出場を予定している。同選手の今後の活躍に期待したい。
NSW大学、日本研究発表会を開催
今年で最終回もコロナ禍でオンライン開催に
11月19日、NSW大学日本研究専攻の最終学年の学生による第12回日本研究発表会が開催された。コロナ禍により昨年に引き続きオンライン形式で行われた同発表会は、2011年より毎年開催されていたが、大学のプログラム改正に伴い、今年が最終回となった。
同発表会は、オーストラリアで日本研究を専攻する学生が、日本・日本人・日本社会をどのような視点で観察及び理解し、自身との関係やつながりを築いているのか共有することを目的としている。今年は3つのクループに分かれ、それぞれ「ガチャ・ゲーム」「オタク」「ハーフ」について研究発表され、発表時間終了後には質疑応答の時間が設けられ、参加者から質問や指摘が飛び交った。「ガチャ・ゲーム」についての発表では、「メディアが作る、ガチャ・ゲームにハマる若者は金銭感覚の無いゲーム依存症というステレオタイプ」に焦点が当てられ、スピーチが行われた。また、「オタク」については、「日本、中国、オーストラリアのオタク」を社交性やお金や時間の消費行動の面から比較し、発表された。「オーストラリアに住む、白人系オーストラリア人と日本人のハーフ」についての研究発表においては、「日系オーストラリア人の歴史」「ハーフの人がこの国で経験する物事やアイデンティティー」について話された。
研究発表を行った学生らは、日本語を第二言語や第三言語として学び使用しており、発表後の質疑応答にも全て日本語で対応した。
全発表終了後に行われた閉会式で、NSW大学のトムソン木下千尋教授は「授業が全てオンラインで行われ、直接グループワークができない難しさがある中、10週間という準備期間で学生たちは立派に研究発表し、我々の期待に応えてくれた」と評価した。
名古屋の「食」の魅力をシドニーで発信
名古屋市がメディアを招いた試食会を開催
名古屋市は11月29日、メディアを招いた試食会を開催した。シドニー市と名古屋市は2020年に姉妹都市提携40周年を迎えたが、コロナ禍による規制から周年行事の開催を断念。今回、紀谷昌彦・在シドニー日本国総領事の発案から始まったJapanaroo内のイベントとして仕切り直した。
イベントに参加した紀谷昌彦・在シドニー日本国総領事は「これからの日豪関係をどうやって発展させるか。その一番の鍵は日本の地方の魅力を知ってもらうことだと思っています。その先鞭を付けるのはシドニー市と名古屋市だと思う」と話した。
また、シドニーで6店舗を展開する日本食レストラン「YAYOI」では12月4日〜19日、同店メニューの中からシドニー市と姉妹都市提携をしている名古屋市のソウルフード「ひつまぶし」「味噌カツ定食」をクローズアップして販売強化を図るキャンペーンを行った。
令和3年度外務大臣表彰の伝達式が開催
11月30日、在メルボルン日本国総領事公邸でアン・デ・クレッツァー・モナシュ大学日本語教育センター所長に対する令和3年度外務大臣表彰の伝達式が行われた。
デ・クレッツァー氏は、オーストラリアにおける日本語教育の推進に顕著な功績を残し、長きにわたる日豪関係強化に寄与したことが認められ、外務大臣表彰を受賞。伝達式では正野圭治国際交流基金シドニー事務所長が同氏の日本との関わりについて紹介した後、島田順二在メルボルン日本国総領事より表彰状と副賞が授与された。同伝達式にはデ・クレッツァー氏の家族や友人らも同席した。
VIC州で宇宙から帰還したワトルの種の播種式が開催
11月18日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のアジアン・ハーブ・イン・スペース・プロジェクトの一環として6カ月間宇宙を旅したゴールデン・ワトルの種の播種式が、コーフィールド小学校及びフランクストン高校で開催され、島田順二・在メルボルン日本国総領事や、豪州宇宙庁(ASA)、VIC州教育訓練省及び「One Giant Leap Australia Foundation」の関係者らが出席した。
播種式では、JAXAの野口聡一宇宙飛行士から両校へのビデオ・メッセージが披露された。同種は、豪州各地の学校などに植えられ、宇宙科学の探求及びSTEM教育の促進に寄与することが期待される。
日本人建築家・葉祥栄展、ローンチ・イベント開催
ダーリング・ハーストで1月25日まで開催
20世紀後半にデジタル・デザインの先駆者として活躍した日本人建築家・葉祥栄氏の展覧会「Revisiting Shoei Yoh」の開催に伴い12月2日、エキシビション・ローンチ・イベントが「オーストラリア・デザイン・センター」(シドニー、ダーリング・ハースト)で開催された。
「Digital Cultural Heritage Symposium」と題された同イベントでは、主催団体であるニュー・サウス・ウェールズ大学、九州大学のドクターやプロフェッサーらにより、葉祥栄氏の建築物のアーカイブ紹介を始めとした講演やパネル・ディスカッションが行われた。
展覧会では「葉祥栄アーカイブ」の建築図面や写真、建築模型の展示、バーチャル・リアリティなどさまざまな手法で葉氏の主要作品を紹介する。
同展覧会の開催に向けて奔走したニュー・サウス・ウェールズ大学、コンピュテーショナル・デザイン学科のドクター、ニコル・ガードナー氏は「葉氏はデジタル・アーキテクチャーのパイオニア。その建築物はユニークであり緻密で他に類を見ない。彼の作品を紹介する場を設けられて心からうれしく思う」と話した。
■Revisiting Shoei Yoh
Web: australiandesigncentre.com/revisiting-shoei-yoh/
JCQが「トリビア・ナイト」を開催
12月2日、QLD州の日系コミュニティーを包括的にサポートする活動を続けるクイーンズランド日本振興会(JCQ会長・平野尚道)が会員親睦とファンド・レイジングを目的に3回目となる「トリビア・ナイト」を開催した。
会場のモンキー・ツリー・ブリューワリ-には、50人ほどの会員とその家族が集い、日本文化や日豪関係に特化したクイズ大会を楽しんだ。優勝チームのメンバーやラッフルの当選者は、日系ビジネスから提供された各種賞品に喜びを隠さない様子を見せた。好評を受けて、JCQは同様の催しを今後も年2回のペースで開催していく意向だ。
ライスカルチャーの有機みそが最優秀賞を受賞
ゴールドコーストでオーストラリア産の有機無農薬栽培(オーガニック)の原料を使用したみそを製造・販売している「ライスカルチャー」のビンテージみそが11月30日、「2021 Royal Sydney Fine Food Show」のスペシャリティー・プロダクト部門で最優秀賞を受賞した。
ライスカルチャーは、有機みそ(オリジナル、ビンテージ、赤、白、チックピー)の他、有機インスタントみそ汁や、たまり、甘酒も同賞に出品し、国際宅急便の手違いにより期日までに送付できなかったオリジナルを除く全ての商品がメダルを獲得した。
ライスカルチャーのみそは、非加熱の天然醸造で最低でも6カ月かけてじっくり発酵させているため、風味豊かで酵素や善玉菌がしっかり生きている。さまざまな料理に活用できる点がポイントだ。ライスカルチャーの大貫智子氏は「オーストラリアでの、みそや麹を含む日本の発酵食品への関心の高さを実感している」とコメントした。
シドニー・チアリーディング「SPRINGS」
全国大会で2連覇を達成
日本のバックグラウンドを持つ子どもたちで構成されたチアリーディング・チーム「SPRINGS」が、11月26〜28日にバーチャルで開催された全国大会「AASCF CHEER & DANCE NATIONALS」及び、同日程でオリンピック・パークで行われた「スーパーナショナルズ」で優勝し、2連覇を達成した。同時に、エントリー数最多部門で「グランドチャンピオン」を受賞。オーストラリア・ニュージーランド80チームの最高得点をマークし、「スーパーグランド・チャンピオン」のタイトルも獲得した。
同チームのコーチを務める野元理香氏は「大きな目標に着実に辿り着くために目標を管理する力と、自分たちで考える力が伸びるよう取り組みました。厳しい状況の中、努力を積み重ね、みんなでつかみ取った全豪優勝は自信という得難い財産になったと思います。2022年もSPRINGSを支えて下さる皆様への感謝の気持ちを大切に、絆の強いチーム作りをしてきたいです」とコメントした。
NICHIGO PRESSが海外発行部門で優秀賞を受賞
11月22日、日本地域情報振興協会(NiCoA)が主催する日本地域情報コンテンツ大賞2021の授賞式がオンライン形式で行われ、本誌「NICHIGO PRESS」が海外発行部門で優秀賞を受賞した。
同アワードでは、日本国内外の地域密着型メディア(フリーペーパーや有料誌及びウェブ・動画)の応募参加媒体の中から、クオリティーや読者の支持など多彩な視点で審査され、評価の高い媒体が選定されて表彰される。今年で11年目を迎え、審査部門244媒体、特別出展部門262誌の計506媒体が参加した。
受賞式では、代表理事や特別審査員らのあいさつの後、各部門の優秀賞・最優秀賞、最後に大賞の発表となった。紙媒体の大賞は、徳島県の株式会社あわわが発行する「めぐる、」が受賞。ウェブ・動画部門では岐阜県の郡上市観光連盟「GUJO NOASOBU」、「The snowy landscape of Japan’s heart land Gujo, japan」が受賞した。
SBSラジオ日本語放送見どころ
SBSラジオ日本語放送は毎週、火、木、土曜日の午後10〜11時に番組を放送している。シドニー市内からはAMラジオ1107khzにチューンを合わせる方法と、デジタル・テレビのデジタル・ラジオ「SBSRadio1」を選択する方法で聞くことができる。
11月は、オーストラリアでもおなじみの「QRコード」の開発者・原昌宏さんや、シドニーを拠点に活動する「IKCS着物クラブ」のゲスナー多恵さん、日本映画祭の生みの親である許斐雅文さんのインタビューなどを放送。11月から火曜日の音楽コーナー「JPop Hub」の担当に、メルボルンの浅野浩治さん(声優・ナレーター)を迎えている。ウェブサイトでバックナンバーの視聴ができる。
また、毎月弊誌発行日、25日直前の木曜日は、NICHIGO PRESS翌月号の見どころや取材の裏話などを編集部スタッフが紹介している。
■SBSラジオ日本語放送
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Web: www.sbs.com.au/Japanese