第7回 豪ドル相場に影響を与える経済データ
以前、為替は経済ニュースに影響を受けるという話をしました。ニュースの中でも、豪州統計局(ABS)が定期的に発表している経済の状態を示すデータ(経済指標)は、特に市場の注目を集めます。これらのうち特に重要なものをいくつかご紹介します。これらは、発表された瞬間から比較的短い期間にわたり相場に影響を与える傾向にあるので、発表日時を事前に把握しておくと良いでしょう。
GDP成長率
豪州の経済がどれくらい成長したかを示します。四半期ごとに前の四半期の成長率が発表されます。発表は、3月、6月、9月、12月の第1水曜日の午前11時30分に行われます。
消費者物価指数(CPI)
一般消費者向けの、物とサービスの価格がどれくらい上昇、下落したかを示します。インフレ率とも言い換えられます。四半期ごとに前の四半期の物価上昇率が発表されます。発表は、1月、4月、7月、10月の最終水曜日の午前11時30分に行われます。
設備投資(CAPEX)
民間企業による機械設備や建物などへの投資額がどれくらい増加、減少したかを示します。四半期ごとに前の四半期のデータが公表されます。将来の景気に楽観的であるほど投資が増える傾向にあるため、この指標は将来の景気を占う先行指標と考えられています。発表は、2月、5月、8月、11月の最終木曜日の午前11時30分に行われます。
雇用統計
前の月の失業率及び就業者数の増減を示します。失業率は、就業者数が変わらなくても求職者数が減れば減少します。そのため、失業率と併せて就業者数の増減にも市場は注目します。また、就業者数も増減したのがパートタイムかフルタイムかによって、データの捉え方は変わってきます。発表は毎月第3木曜日の午前11時30分に行われます。
これらの経済指標は、FX(外国為替証拠金取引)を扱うブローカーのウェブサイトや情報ポータル・サイトに掲載されている経済カレンダーで確認ができます。また、事前に市場関係者がこれらの数値の予想を行っており、発表される数値そのものの良し悪しではなく、実際の数値と市場予想との乖離(かいり)が相場に影響を与えることを覚えておいてください。
KVB Global Markets
取締役日本部門ヘッドチーフFXカスタマー・ディーラー
山田悟