広大な国土を有するオーストラリアで、車は欠かせない存在だ。オーストラリアでは日本と同様に車は左側通行に右ハンドルということもあって、日本車の人気が高い。本特集ではその実情と、快適なカー・ライフを送るために知っておくと便利な情報をお届けする。
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オーストラリアで日本車が人気なワケ
日本車ブームの火付け役
オーストラリアでは日本と同じ左側通行に右ハンドルのため、かねてから日本車が多く輸入されていた。日本車に対する高い認知度が既にあった中、日本車のパフォーマンス・カーの人気急上昇を後押ししたきっかけの1つに、カー・アクション映画『ワイルド・スピード』シリーズの大ヒットが挙げられる。同シリーズ第1弾が2001年に公開されると、日本車を改造する文化がオーストラリアの若者の間で定着。日本車の壊れにくさや改造パーツの入手しやすさもあって、日本車が現在に至るまで根強く支持されることとなった。また、車両運搬トレーラーの牽引や車の保管スペースの確保が日本より比較的手軽にでき、サーキットが各地に点在していることも、公道を走れない改造車両を所有しやすい状況につながっている。
投資目的での購入も
1980~90年代に生産された日本車は年々、希少価値が高まってきており、高値で取引されるようになっている。もちろん車両や年式によるものの、値上がりが激しくないものでも、元値から3割高となっている。そして製造から25年以上が経ち、アメリカや他国でも公道登録が可能になる年式のハイ・パフォーマンス・カーは特に人気が高く5割高以上、コンディションによっては2倍またはそれ以上の値上がりを見せている。そのため、投資目的で購入している人も存在するほどだ。50~60年代のアメリカ車が今でも大切に愛されているように、日本車のハイ・パフォーマンス・カーもこれから大切にされることだろう。
日本発祥の競技“ドリフト”も人気
日本車だけでなく、日本発祥の車競技であるドリフトも、オーストラリアを始めとする海外で広く受け入れられている。ドリフトとは、意図的にタイヤの限界を超えさせて車をコントロールする走行技術のこと。元々はラリーやダート競技のテクニックで、滑りやすい路面でスピードをできるだけ落とさずに曲がるためのレース・テクニックだった。しかし、その走りの派手さに魅せられた日本の若者たちが、峠や工業地帯のアスファルト上で違法にドリフト走行を繰り返した。それらの違法行為をモーター・スポーツに昇華させたのが、「ドリフト・キング」こと土屋圭一さんだ。彼が主体となって2001年に旗揚げされ、今なお続いているドリフト・シリーズが全日本プロ・ドリフト選手権(D1GP)。そのD1GPは後にアメリカでも開催され、ドリフトという競技が世界で広く知られるモーター・スポーツとなった。この流れを受けて、南半球のニュージーランドやオーストラリアでも人気を博すようになった。もちろん、ドリフト用だけでなく、一般の日本車も高い安全性と信頼性を誇り、オーストラリアにおけるカー・ライフを快適なものにしている。
取材協力:Takeshiさん
自動車整備士の資格と経験を生かしニュージーランドに移住。同地在住12年目。永住権取得後、車の出張修理メカニックとして独立。ドリフト好きが高じて家に自作でサーキットを作りNZヘラルド全国紙の表紙で取り上げられる。現在は日本人レーサーの海外アテンドやドリフト・スクールの講師としても活躍、登録者数1.8万人のYouTubeチャンネル「NZDRIFT LIFE」も運営している
愛車のお手入れ、こんな症状が出たらどうする?
愛車と長く付き合っていくためには、愛車のコンディションを把握しておくことが重要だ。ゴールドコーストで、日本人メカニックによる確かな技術でカー・リペアを手掛けてきた車修理会社「Maximore Auto Repairs」に、よくある車トラブルの症状について、その原因と対処法を伺った。
よくある車のトラブル症状1
ブレーキを踏むとキーキー音がする
原因ブレーキ・パッドの摩擦材がすり減り、ブレーキ・パッドのセンサー(金属部分)が直接ブレーキ・ローターに当たって、音が鳴ってしまっている状態です。そのまま放置しておくと、最悪の場合ブレーキが効かなくなる恐れがあります。
対処法ブレーキ・パッドの交換をしましょう。損傷がひどい場合、ブレーキ・ローターの交換も必要になり、修理代金が高額になります。半年に1回は点検をお勧めします。
よくある車のトラブル症状2
エンジン・ルームからキュルキュル音がする
原因エンジンの外側に付いているドライブ・ベルト(ファン、パワー・ステアリング・ベルト)に亀裂や伸びが生じ、エンジンの動力を伝えられずに滑っている状態です。エンジンの外側には、エアコン、オルタネーター発電機、パワー・ステアリング・ポンプ、ウォーター・ポンプなどがついており、その全てをドライブ・ベルトにより動かしています。最悪の場合、ドライブ・ベルトが切れ、車を走行させることができなくなります。
対処法ドライブ・ベルトの交換もしくは、調整を行いましょう。
よくある車のトラブル症状3
水温計の温度が高い
原因エンジンの冷却水の不足、水漏れ、エンジン内部の部品(サーモスタット)故障、ラジエーター・ファンの故障などが挙げられます。
対処法冷却水が不足している場合は補充しましょう。冷却水が明らかに漏れている場合は、エンジンを停止し、すぐにレッカーを呼びましょう。無理に走行させてしまうと、エンジンを壊してしまいます。その場合エンジンの取り替えが必要となり、とても高額な修理代金になってしまいます。
覚えておきたい用語集 「車の売買をする際に、役に立つ以下の用語を覚えておこう。」
Rego(Vehicle Registration)
一般的にレジョと呼ばれる、陸運局への車両番号登録。これを取得すると、ナンバー・プレートがもらえる。6カ月または1年ごとに規定の料金を支払って登録を更新する。登録のない車がナンバー・プレートを付けることや道路を走ることは違反。購入時にレジョが残っていれば、切れた時点から支払えば良いので購入時のチェック・ポイントの1つになることを覚えておこう。
RWC(Road Worthy Certificate)、Pink Slip
RWCはQLD州における車両点検証明のこと。メカニックにて、一定の安全基準を満たしている車に与えられる。名前の通り、これを取得した車両は一般道路を安全に走行できることを証明してくれる。車を売買する際には通常、売り手がこれを取得するが、個人売買などでは自己責任で確認が必要だ。車の状態によって金額が変わるため、自分でRWCを取る場合は、たとえ車が安く買えるとしてもしっかり確認しよう。NSW州では「Pink Slip」と呼ばれ、前述のRegoが3カ月以上切れた車の場合は、「Blue Slip」も必要となる。
Maximore Auto Repairs
■住所:Factory 2, No7, Kamholtz Crt., Ashmore QLD
■Tel:(07)5597-1727
■営業時間:月~金9AM~5:30PM、土・日休
■Facebook & Instagram: @maximore_car_repair
■会社情報:1989年12月に車両整備を中心とした工場「MAXIMORE」を設立。社名には、100%を超えるサービスを提供したいという思いが込められている。昨年12月で創立30周年を迎えた
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