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第162回 鯉幟(こいのぼり)/書家れんのつきいち年中行事

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第162回 鯉幟(こいのぼり)

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 ご機嫌いかがですか、れんです。

 5月5日は端午の節句です。伝統的に3月3日の上巳(じょうし)の節句(桃の節句)が女児のお祭りであるのに対し、この日は鯉幟や鎧兜(よろいかぶと)、刀、金太郎や武蔵坊弁慶を模した五月人形を飾って男児の健やかな成長を願います。

 節句の行事は既に奈良時代からあったようで、菖蒲鬘(あやめかずら)の髪飾りを付けた人びとが宮中に集い、天皇から薬草を固めた薬玉(くすだま)を賜ったり、貴族がお互いにそれを贈り合ったりしていました。

 武士が台頭した鎌倉時代になって、「菖蒲(あやめ/ショウブとも読む)」が「尚武(武道や武勇を重んじること)」と同じ読みであることや、菖蒲の葉が剣を連想させることなどから、次第に男の子の節句となっていき、江戸時代以降、関東を中心に全国に広まったとされています。

 鯉幟については、武家がこの日に幟や旗指物(はたさしもの)を玄関に飾る習慣があったのを町人が真似て、鯉を吹き流し状にした物を作ったと言われています。「鯉の滝登り」は、黄河の急流にある竜門の滝を鯉だけが上り切ったという立身出世の象徴とされた逸話です。

 子どものころ商店街にあった私の実家に飾れたのは兜と刀だけで、農家の広い庭先に泳ぐ鯉幟をうらやましく思ったものでした。

 さて、佐世保市の姉妹都市であるコフスハーバー市の日本庭園では、5月の第1日曜日に「Japanese Festival Children’s day」が開催され、佐世保市寄贈のたくさんの鯉幟が悠々と泳いでいました。私もそこで何度か「こいのぼり」の歌詞の筆書きを披露したりしたものです。

このコラムの著者

れん(書家/アーティスト)

アーティストとして永住権取得。作品“ふるさと”が国有財産として在豪日本国大使館蔵。豪・日・ドバイ・NZで作品展、大書ライブ、workshop多数。ハリウッド映画『The Wolverine』製作に参加。シドニー総領事表彰。元号“令和” (総領事館蔵)、日立豪 “協創”揮毫。豪五輪委員会で応援大書。書道教室。LINEスタンプ販売中。
Web: renclub.net / Email: renclub@gmail.com / 動画: youtube.com/user/renclub

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