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インフレ便乗値上げ疑惑の中、オーストラリアのスーパー「コールズ」半期決算は増収減益

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既存店売上高6.8%↑ 純利益8.3%↓

オーストラリアのスーパー2番手「コールズ」の店舗(Photo: 守屋太郎)

 インフレ便乗値上げの疑いでオーストラリアのスーパーマーケット業界への逆風が強まる中、大手コールズ・グループ(本社メルボルン)は27日、2023-24年度(23年7月1日〜24年6月30日)の中間決算を発表した。同年度上期(12月31日までの27週間)の売上高は222億1,600万豪ドル(約2兆1,800億円)と前年同期比で3.7%増加した。ガソリンスタンドと併設のコンビニ「コールズ・エクスプレス」を売却した影響を除いた、既存店売上高ベースでは6.8%伸びた。

 セグメント別の売上高は、主力のスーパーが197億7,800万豪ドル(4.9%増)、酒販が19億8,800万豪ドル(1.8%増)などとなっている。

 営業利益に減価償却費を加えた「税・金利・減価償却前利益」(EBITDA)は18億4,700万豪ドルと2.8%減少。税引き後の最終利益(NPAT=純利益)は5億8,900万豪ドルと8.4%減少した。1株当たり利益(EPS)は44.5豪セント(8.5%減)だった。

 ロイター通信によると、売上高、利益ともに事前の市場予想を上回った。このため、27日のオーストラリア証券取引所(ASX)でコールズ・グループの株価は急上昇。午後1時時点で、前日終値比で7.2%高い水準で推移している。

 オーストラリアのスーパー業界のシェアは、首位ウールワースが36.3%(2023年=調査会社アイビスワールド推計)、2位のコールズが27.8%。2社の合計で全体の約3分の2を寡占し、多くの国民が日常生活を2社に依存する形となっている。しかし、2社をめぐっては20年以降の激しいインフレ局面で莫大な利益を計上したことから、不当な便乗値上げを行っているのではないかとの疑惑が浮上。連邦議会で調査委員会が立ち上がるなど、生活コスト高騰に苦しむ世間からの風当たりが強まっている。

■ソース

2024 Half Year Results Release, ASX Announcements(Coles Group)

Australia’s Coles denies price gouging, says food inflation is a global problem(Reuters)

G4111 – Supermarkets and Grocery Stores in Australia(IBISWorld)

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