オーストラリア東部はこの1週間雨続きの予報
11月23日付ABC放送(電子版)は、気象庁(BoM)が、ラ・ニーニャ宣言をしたことを伝えている。
そのため、過去何週間かの荒れ模様がこの夏全体の気候と予想されている。
ラ・ニーニャはエル・ニーニョとは逆で赤道付近の東太平洋で海面水温が平年より低くなり、西太平洋で海面水温が平年より高く。それに伴い、オーストラリアの東部と北部で雨の多い夏が続くことになる。
また、今週いっぱい雨模様の日が続き、時には嵐や洪水も予想されている。また、例年平均を上回るサイクロンが発生し、北部の雨季も例年より早く訪れることになる。
BoMのoperational climate servicesのアンドルー・ワトキンズ氏は、「このラ・ニーニャは少なくとも2022年1月まで、おそらく一夏中続くことが予想される」と語っている。
このラ・ニーニャは、比較的勢力が弱く、しかも短命と予想されているが、昨夏のラ・ニーニャで大陸東部や北部の水源地はどこも満水状態になっており、その上に冬も春も雨が多かったことからラ・ニーニャの影響は大きくなる可能性がある。
23日は低気圧がSA州上空で発達する様子があり、同州の一部とNSW州内陸部に雷雨やにわか雨をもたらす見込みで、翌24日には雨、嵐の勢力範囲はQLD州内陸部、NSW州西部、SA州東部あたりに広がる。
さらに25日がもっとも懸念される日で大雨の勢力範囲はVIC州北部、NSW州の山脈の西、さらにQLD州内陸南部にまで広がる。
26日には雨もさらに東に移動し、QLD州東部、NSW州東部と中部、加えてVIC州北部と東部の一部に50mmから100mm程度の雨量をもたらすものと予想される。
さらに27日には雨も嵐も勢力範囲が狭まり、NSW州北部とQLD州にまたがる程度になる。
また、サイクロンの季節が近づいてきており、今夏の熱帯性サイクロン第一号は、インド洋のクリスマス島南東部でカテゴリー1に成長したことから、23日夜に「サイクロン・パディ」と名付けられた。このサイクロンは例年より早く発生しており、ラ・ニーニャではそういうことも起こりえる。
■ソース
BOM declares La Nina as eastern Australia prepares for another sodden end to the week