豪雨中に満杯になったダムの放流で被害が拡大
2011年初めにQLD州のほぼ全域に自然災害被災地域が宣言されたが、州南東部の2つのダムで豪雨のさなかに水位が危険な高さになったことで緊急放流が行われた。この放流の水が他の川から流れ込んできた豪雨の水と合わさり、下流の洪水被害が拡大する結果になった。
洪水被害者6,800人がQLD州政府とダム管理者のSeqwaterおよびSunwaterを相手取って起こしていた集団訴訟で、NSW州最高裁は、ダム管理者の怠慢があったと判断し、原告団の勝訴を言い渡した。
ABC放送(電子版)が伝えた。
NSW州最高裁のロバート・ビーチ=ジョーンズ判事は、「ワイバンホーとサマーセットの2つのダムの管理技士は、自分達が編成に参加した操作規則を無視していた。その結果、適切な措置が遅れ、洪水を悪化させた」と判決主文で述べている。
原告弁護団は、「賠償損害額は億ドル単位になるだろう」と語っている。
また、法廷は、3被告の怠慢を認めたが、他の部分については原告の言い分を却下している。
原告弁護団は、「ダム管理技士らの不注意と怠慢で手遅れになるまで放流せず、ダム崩壊を防ぐために大量の水を放流せざるを得なくなったことで洪水を悪化させた」と主張していた。
Insurance Council of Australiaのキャンベル・フラー氏は、「2011年ブリスベン洪水の後、保険会社は2019年換算で15億ドルを超える保険金を支払っている。保険会社は今日の判決を読んでみたいと思うだろう」と語っている。
QLD州政府のイベット・ダース法務長官は、「今日の判決を耳にしている。判決の内容を良く検討したい。」と語っている。
■ソース
Queensland flood victims win class action against state, Seqwater and Sunwater over dam negligence