ラグビー日豪戦、豪ワラビーズが日本代表に19ー15で逃げ切り勝利─「リポビタンDチャレンジカップ2025」/Go! ワラビーズ in Japan

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レポート=山田美千子

 ラグビー日本代表テスト・マッチ「リポビタンDチャレンジカップ2025」の対オーストラリア代表戦が10月25日、雨の降り続く肌寒い東京・国立競技場で開催され、オーストラリア代表ワラビーズ(以下、ワラビーズ)が日本代表(以下、日本)に19ー15で勝利した。

 この試合でワラビーズは、同月4日まで開催された「ザ・ラグビーチャンピオンシップ2025」からメンバーを入れ替え、フレッシュなラインナップとなった。その中で注目していたのが、No.8のロブ・バレティニ選手とWTBのディラン・ピーチ選手で、いずれもけがからの復帰状況が気になっていた。

No.8ロブ・バレティニ選手
WTBディラン・ピーチ選手

 試合は序盤からタイトな攻防戦となった。最初のトライはワラビーズ。試合開始13分にゲーム・キャプテンを務めていたLOニック・チャンピオン・デ・クレスピグニー選手がトライ。テイン・エドメド選手がゴール・キックを決めて7ー0と先制した。

 27分には日本、李承信選手のペナルティー・ゴールで7ー3と4点差に詰め寄られるが、直後の30分にはCTBジョシュ・フルツク選手のトライ、エドメド選手のゴール・キックで14ー3と引き離し、優勢を保って前半を終えた。

 最近の試合では、後半に得点を重ねることの多いワラビーズ。この試合も同様の展開を予想していたのだが……。

 後半最初のトライは日本だった。52分にPR竹内柊平選手が決め、オーストラリアは14ー8と迫られる。57分、FLカルロ・ティッツァーノ選手のトライで19ー8と再び突き放すが、日本も粘る。61分にはLOベン・ガンター選手のトライ、李選手のゴール・キックで更に19ー15と点差を縮められてしまう。

 その後の20分間、失点こそなかったものの、すっかり足が止まり、日本に主導権を握られてしまったワラビーズ。どうにか踏ん張り、日本の攻めをしのぎ切り、勝利をつかんだ。これまでの対戦成績からすると、想定外の得点差だった。

 ワラビーズは前半には2トライ2ゴールで14点を挙げたものの、後半には1トライ5点しか奪えず、逆に12点を失う結果となり、課題も垣間見えた。

 雨で滑りやすい状況下、FWを中心とした攻めが多くなったこともあり、ピーチ選手のスピードを生かしたトライを決める姿を見ることはできなかったが、復帰初戦としてはまずまずの出来だったと言えるだろう。

 もう1人の注目選手バレティニ選手は、スクラムでも安定したプレーを見せていた。足元の悪い中でも力強いプレーは健在。No.8での出場ではあったが、ワラビーズになくてはならない選手であることを証明した。「ピーチ選手が復帰したことはうれしいこと。新しいメンバーと合わせていくのに難しいところもあった。そのあたりは修正してイングランド戦(キルター・ネーションズ・シリーズ)に臨みたい」と話してくれた。

勝利チーム・トロフィーを手にするこの日、ゲーム・キャプテンを務めたニック・チャンピオン・デ・クレスピグニー選手

 試合中に目を引いたのが、ゲーム・キャプテンを任されたFLのニック・チャンピオン・デ・クレスピグニー選手だ。ウエスタン・フォース所属の29歳。キャップ数2ではあるが、1トライを決め、攻守にわたって堅実なプレーで日本を苦しめた。

 この後のキルター・ネーションズ・シリーズでのワラビーズの活躍に期待したい。

このコラムの著者

山田美千子

山田美千子

ラグビーに魅せられおよそ20年。「強い時も弱い時も、ナンバー・ワンはいつでもワラビーズ!」と、自他共に認めるワラビーズ・オタク。歴代の愛犬の名前はワラビーズ選手が由来。得意なことは、ワラビーズの次世代エースを見つけること。苦手なことは、写真を撮られること





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