午後3時の甘い誘惑
誘惑には勝てない編集部員が、今月の「甘くておいしい世界」をご紹介!
オーナーのこだわりが光る焼きたてペイストリー
第24回 Organic Bread Bar
シドニー市内中心部から程近いパディントンのフリンダース・ストリートとダウリング・ストリートが交差した所に、そのベーカリーはある。ほんのりと漂う良い香りに吸い寄せられるように人びとが店頭で列をなしている。「Organic Bread Bar」と書かれた軒先には、道路に面する形で注文口が設けられ、眼前のショーケースに同店のペイストリーが並ぶ。テイクアウェイも可能だが、同店で休憩する場合は屋外に置かれたテーブルといすに腰掛けるか、実際にペイストリーを作っている現場やオーブンを眺めながら約10席ある店内でゆっくりすることもできる。
今回、同店のオーナー・アンドレアスさんに話を伺う約束を取り付け、同店の場所を調べると「Organic Bread Bar」と「Organic Bread Bar Darlinghurst」の2つの検索結果が出た。そこで開口一番に「2店舗は関係があるのか」と尋ねた。どちらもアンドレアスさんの店舗ではあるが、ダーリングハーストの方は彼のパートナーと共同で出資したカフェだという。アンドレアスさんは“ベーカリー”を、彼のパートナーが“カフェ”を運営し、カフェには毎日「Organic Bread Bar」のペイストリーを配達しており、2店舗で同じ種類のパンやペイストリーを食べることができるそうだ。
ベーカリーである同店のお薦めは「クロワッサン」とのこと。通常使用される砂糖の量の30~40%ほどがカットされているため甘さが控えめで、ヘルシーだという。チョコレート・クロワッサンなどの種類豊富なクロワッサンの他にも、サワードゥのパン、スコーン、各種ケーキ、ラミントン、クッキーなどがディスプレイ棚を彩る。
店名にもある通り、使用する材料はオーガニックにこだわり、それらは地元産を使うようにしているという。海外から輸入した物だと、入手すること自体にコストが掛かる。環境への負荷も考慮し、ドリンク類もそのほとんどがオーガニックだ。
そして、アンドレアスさんが考える一番大切なことは「お客さんの信頼を得ること」だと語る。そのために毎日、アンドレアスさんは調理場に立ち、商品を作っているそうだ。それは「皆の顔を見ながら、自分が納得できる物だけを作っていきたい」という力強い信念であり、人びとを引き付ける秘訣(ひけつ)でもあるのだろう。「今が一番幸せ。特にお客さんの幸せそうな顔を見た時、私も一緒に幸せを感じる」と語るアンドレアスさんのペイストリーをぜひ一度、ご賞味頂きたい。(リポート:高坂信也、池野真優)
DATA
●住所:356 South Dowling St., Paddington NSW ●営業時間:毎日7AM~6PM(コーヒーのみ6:30AM~)●Web: www.organicbreadbar.com.au ●備考:キャンペーンあり(今月のCATCH THE NEWSを参照)