オーストラリアで夢のマイホーム計画
第129回 オフ・ザ・プラン(Off the Plan)
私が住んでいるウォリー・クリーク(Wolli Creek)は、2002年に開発されたまだ新しいエリアです。シドニー・シティーから10キロ圏内にあり、いまだ新しい物件が次々と建築されています。以前に何が建っていたか思い出せないほど、古くなった建物は気が付くと更地になり、しばらくするとまた工事が始まっているという光景が繰り返されています。
物件が完成する以前に、完成プランの構図だけで物件を購入することを「オフ・ザ・プラン」購入と言います。今回は、このオフ・ザ・プラン購入のプラス面とマイナス面を並べてみます。以下に留意するポイントを挙げてみます。
【プラス面】
- 新築
大幅な改築が必要とされる中古物件と違い、全てが新しい新築物件はメンテナンスの面からも安心です。
- 物件価格と頭金
マーケット上昇時、オフ・ザ・プラン完成後に物件価格が上がると、キャピタル・ゲインを得られます。40万ドルで購入したオフ・ザ・プランの物件が完成時に60万を超えていたケースもありました。また、オフ・ザ・プランでは10%のデポジットで購入できるので、物件完成までに更に頭金を貯蓄できるという時間の余裕ができます。
- 税金のメリット
投資物件で購入する場合、新築であることから減価償却が利用でき、税金対策のメリットがあります。
- 物件価格と家屋査定
完成後のマーケットが減少傾向にある場合、予定以上の頭金を準備する必要があります。購入時50万ドルで、融資銀行の家屋査定で完成物件は45万ドルと査定された場合、銀行は査定額である45万ドルを基に融資するので、足りない差額分を自身で準備しなければなりません。
- 状況の変化
銀行が融資査定するのはあくまで物件完成後です。その時点での融資査定のため、職業が変わり年収が減った、家族が増えたなどの場合、融資枠が大幅に減少する恐れがあります。昨年のように銀行のポリシーが厳しくなる、もしくは金利が上昇することもあるでしょう。結果、当初融資されると思っていた額が融資されないこともあります。
- 見ていない物件
工事が大幅に遅れたり、開発業者が倒産して完成できないという可能性もあります。また、オフ・ザ・プランではフロア・プラン通りでない場合もあり、5%の範囲内ではプランを変更しても良いため、完成後に1~2㎡小さくなったということも少なくありません。
【マイナス面】
XL Group
住宅ローン・コンサルタント(MFAA正式会員)
Yon