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食と自然の島、ブルーニー島/タスマニア巡り 第22回

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ザ・ネックからの展望はもはや州のアイコン

 ホバートの南、ストーム・ベイに浮かぶブルーニー島。南北に50キロほどのこの島には自然が多く残り、釣り、サーフィン、ハイキング、キャンプなど、アウトドア派に人気です。加えてここ数年、続々と新しいローカル・プロダクトが生み出され、国内外から多くの人が訪れるタスマニアきっての人気スポットになりました。

 ブルーニー島の北島と南島は幅数十メートルの地峡でつながっており、その形はまるでヒョウタンのよう。この地峡は「The Neck」と呼ばれ、中央にある展望台からの風景は、ブルーニー島で最も有名です。その展望台の下の浜辺はリトル・ペンギンとハシボソミズナギドリの一大営巣地。うっかり足を踏み入れないように。

 ちなみにハシボソミズナギドリは世界で最も長距離移動をする鳥として知られ、非繁殖期には日本を超えて北極海まで渡るものもいるのだそう。他にも豪州で最も希少なミドリホウセキドリやオトメインコの繁殖地があるなど、野鳥にとっても非常に重要な島なのです。

 そんな自然の宝庫の島は、今や“食の島”としても有名になりました。牡蠣にチーズ、ワインにハチミツと、タスマニアの名産が島内で作られ、産地直送品を現地で楽しむことができます。

 ただしブルーニー島は交通の便が悪く、車で行くかツアーに参加しなければ訪れることは難しいでしょう。また島に渡る唯一のフェリーも予約はできず先着順のため、夏の最繁期などは1時間以上待つことも。現地ツアーはホバートから出発するボート・クルーズやテイスティング・ツアーが人気ですが、日帰りのためちょっともったいないので、余裕をもって島内を巡れる1泊もしくは2泊旅がお薦め。ホテルやレストランは限られていますが、セルフ・ケータリングのコテージやキャンプ場は数多くあるのでアウトドア派には打ってつけです。現地の食材でBBQというのも良いですね。

 食と自然の島ブルーニー島、ホバートを訪れる際は、ぜひ足を運んでみてください。

このコラムの著者

稲田 正人

稲田 正人

タスマニアのツアー・ガイド/コーディネーター。タスマニア大学で動物学・環境学を学んだ後、のんびりゆったりした生活感に魅せられ、そのままタスマニアに在住。現在は現地旅行会社AJPR(Web: www.ajpr.com.au)に勤務する傍ら、多過ぎる趣味に追われる日々を満喫中

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