雇用の軟化踏まえ、コモンウェルス銀のエアード氏が予測
15日に発表されたオーストラリアの雇用統計で1月の失業率が4.1%と2年ぶりの高水準を記録したことについて、コモンウェルス銀グローバル経済・市場研究部のギャレス・エアード部長(オーストラリア経済担当)は、雇用情勢の悪化を防ぐには年内に複数回の利下げが必要だとの認識を示した。同日公表の顧客向け短信リポートで明らかにした。
豪準備銀(RBA)は失業率が24年末までに4.3%に上昇すると予測しているが、エアード氏は「RBAの予測よりも早いペースで失業率は上昇するだろう。経済成長が長期トレンドと比較して著しく低く推移するという私たちの予測を踏まえると、(RBAの)予測は低すぎる」との観測を示した。
その上で同氏は、失業率が年末までに4.5%に上昇すると予測し、「4.5%を大幅に超える事態を回避するには、RBAは年内に利下げ(複数形)を行う必要がある」と述べた。
同銀の予測によると、RBAは9月に利下げを開始し、年内に0.75ポイント(0.25ポイントずつの場合は3回)、25年上期にさらに0.75ポイントの利下げを実施する可能性があるという。予測が正しければ、現行4.35%の政策金利は2.85%まで下がることになる。
■ソース
Unemployment rate continues to climb(Commonwealth Bank of Australia)