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古い銅線なんか売ってどうするの? オーストラリアで窃盗が相次いでいる理由

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3.6億円相当 盗んだシドニーの男3人起訴

 オーストラリア東部シドニーの光ケーブル敷設工事現場で古い銅線を盗み、転売して巨額の利益を得ていた下請け業者の男3人が、9日までに窃盗罪などで起訴された。公共放送ABC(電子版)によると、男らは合計約300トン、実勢価格は最大約350万豪ドル(約3億6,000万円)の銅線を盗んでいたという。

 正当な下請け業者を装って工事現場に出入りし、銅線を盗んでスクラップ業者に転売している者がいる−−。そんな情報を察知した地元ニューサウスウェールズ州警察が、強制捜査に入ったのは今年3月。シドニー郊外の廃棄物処理場など複数の現場で盗まれた銅線を押収し、210万豪ドル相当の銅線282トンを盗んだとして43歳と48歳の男2人を、140万豪ドル相当の銅線68トンを盗んだとして30代の男1人を、それぞれ逮捕・起訴した。

 3人の被告は、いずれもシドニー南西郊外で、古い銅製のADSL回線を光回線に取り替える工事に従事していたという。現場から出た銅線は通常、正式なルートを通して契約業者に販売されるが、3人は闇ルートに流して「汚いカネ」を得ていたと見られている。

 シドニー周辺ではこのところ、銅線の盗難被害が相次いでいる。ニューサウスウェールズ州東部で送電事業を手がけるオーズグリッドは、過去9カ月間に74件の導線の盗難事件があったと報告している。

 背景には、銅価格の高騰がある。米投資情報サイト「インベスティング・ドット・コム」によると、銅の指標価格(先物)は22年3月に最高値を記録した後落ち着いていたが、再び上昇しており、現時点で1オンス当たり4.8米ドル近辺と最高値圏にある。銅は古くから電線や電話線などの通信ケーブル、家電、デジタル製品など身近な用途に使われ、近年は電気自動車(EV)用途の需要が高まっている。犯罪者にしてみれば、入手しやすい上に手っ取り早く現金化できる利点があると見られる。

■ソース

Three contractors charged with stealing more than $3.5 million of copper from Sydney infrastructure sites(ABC News)





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