先日の大雨で周辺の集水域から水を集め
マレー・ダーリング水系の河川の一つ、NSW州内を流れるラクラン川はキャンベラの北方、ガニングの東に発し、オクスリー付近でマランビッジー川と合流するまで直線距離約480kmを約1,440kmかけて約600mほど下る川であり、しばしば水が涸れてマランビッジー川と合流しない期間も長い。
オーストラリアの川はこのように傾斜が緩やかで距離が長いため、洪水が何日もかけて徐々に下っていく。
11月15日には州中西部の町、フォーブズでラクラン川の水が堤を越えて氾濫しており、住民は土嚢を積んで準備しているが、町の一部に避難命令が出されるのは時間の問題と伝えられている。
同日付ABC放送(電子版)が伝えた。
気象庁(BoM)は、「ラクラン川の洪水は予想よりもゆっくりと移動している。15日には既にフォーブズでも洪水が始まっているが、フォーブズでピークに達するのは17日になる見込みで、2016年9月洪水とほぼ同じ10.65mの水位に達するだろう。避難命令決定は15日遅くになると予想される、としている。
カウラとフォーブズの中間地点、ナナマイでは16日朝にピークに達すると見られており、BoMのジャスティン・ロビンソン予報官は、「フォーブズにどのような影響があるのか気がかりだ」と語っている。
フォーブズでは州緊急救援局(SES)が、100件ほどの救援を求める電話を受け取っており、そのほとんどが土嚢を求めるものだった。
11月14日夜には「避難警報」が出されており、住民にいつでも避難できるように準備する時間を与えていた。
SESのグレッグ・スィンデルズ司令は、15日午後には800戸ほどの世帯に避難命令を発令することになるとしていた。
また、カウラからフォーブズまでの間の道路網は、ラクラン・バレー・ウェイなどそのほとんどが途絶している。
11月14日夜にはラクラン川のワイヤンガラ・ダムが105%の水位になったため、放流していたが、放水量を1日80ギガリットルから50ギガリットルに引き下げている。ダムの放流は洪水の原因のごく一部であり、その他にも、農作物や牧草の背丈、土壌の水分飽和度なども水の挙動に大きく影響すると発表されている。
SESによると、11月14日夜にはカウラでラクラン川の水位が12.64mに達していた。
■ソース
Evacuation order likely for parts of Forbes as the Lachlan River bursts its banks