レンジャー、水場で腐敗する死体に善後策
大陸中央部、アリス・スプリングスの南東部、サンタ・テレザ付近の水場で100頭近い野生馬が渇死しており、腐敗が進んで水場を汚染しており、レンジャーがさらに55頭を射殺した。
ABC放送(電子版)が伝えた。
大量の野生馬の死体が水場を汚染しているため、地域地権者らは死体の処分に頭を抱えている。
現場はサンタ・テレザ・コミュニティから20kmほど離れたディープ・ホールと呼ばれる水場の100mほどにわたって死体が散乱している。
1月23日、レンジャーが40頭ほどの死体を発見、さらに55頭がまだ生きていたが息も絶え絶えであったため、24日に地域アボリジニの土地管理機関、中央土地評議会(CLC)が緊急に55頭の射殺を決定した。
CLCと地権者は1月30日に緊急会議を開き、死体の処分について協議することになった。野生馬の死体はアボリジニの土地にあるため、その処分もCLCと地権者が決めなければならない。
北部準州(NT)の環境天然資源省の野生生物害獣管理部のティム・クランシー・マネージャは、「大陸中央部では野生化した害獣が環境に大きなダメージを与えている。2000年代初めに大陸中央部で野生馬の空からの調査を行った際には約25万頭の野生馬がいたが、その後もかなりの数がいる証拠がある。旱魃の時期には動物がすべて水場に集まるが、水場も次第に小さくなっていき、そこに集まる動物の数は増えるため、水場がダメージを受け、浸食が起き、植生も破壊される。しかも、大陸中央部ではそういった水場がオーストラリア在来種動物の重要な避難場所になるだけに野生馬によるダメージは大きい」と語っている。
しかし、クランシー・マネージャは、「野生馬は害獣だが、一部の住民にとっては貴重な資源であり、また、文化的な価値もあるという存在になっている。しかし、このような状況に至ったのは苦しいことだ」と語っている。
■ソース
Rangers cull 55 horses after dozens found dead by Central Australian waterhole