売却価格が購入価格を下回る住宅不動産増える

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住宅価格下落で過去6年最高の件数を記録

 2019年第1四半期、国内の住宅不動産転売価格が購入価格を下回った物件数が12%に達していることが明らかにされた。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 このデータは、不動産アナリスト、CoreLogic社の最新の「Pain and Gain」報告書によるもので、この「損切り」の率は過去6年間で最高であり、住宅市場が低調になっていることの徴候とされている。

 この「損切り」売却率も2018年第4四半期には10.5%、2018年第1四半期には9%だった。

 CoreLogicアナリストのケーマー・クッシャー氏は、「2019年第1四半期の国内住宅不動産転売の総損失額は4億8,680万ドルに達しており、国内地域で見れば、パースが24.8%、シドニーが19.9%だった」と記している。

 逆に、住宅不動産転売による国内全体の総利益は143億ドルに達している。

 金額的には国内で住宅価格がもっとも高いシドニーが24.3%、メルボルンが23.5%を占めており、もともとの住宅価格が高いことと、最近の住宅価格下落前の強力な価格の伸びが大きい。

 ただし、最近の「損切り」転売はシドニー、メルボルン、ブリスベン、アデレードで増えていることが示されており、持ち家居住者に比べると投資家の「損切り」転売が大きく、2019年第1四半期、前者は10.5%なのに対して後者は16.7%にのぼっている。

 その理由として、「投資家の場合、税制により、現在の転売損失を次の不動産投資のキャピタル・ゲインから相殺することができる」ため、「損切り」する場合の損害も軽減されることが挙げられる。

 大都市別の損切り転売率は、シドニー9%、メルボルン6.4%、ブリスベン11.5%、アデレード8.4%、ホバート2.1%、キャンベラ10.2%、パースとダーウィンは飛び抜けており、それぞれ32.8%、45.5%となっている。
■ソース
Number of Australian properties resold at a loss climbs to six-year high

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