マレー=ダーリン水系農家の取水権も切り詰め
QLD、NSW、VIC、SA4州を覆う広大なマレー=ダーリン水系はオーストラリアの食糧供給地帯としても知られているが、うち続く干ばつで農家の取水権も切り詰められている。そのため、これから農作物消費者価格値上がりが予想される。
ABC放送(電子版)が伝えた。
気象庁(BoM)の向こう3か月の気象見通しでも雨は見込み薄で、すでに水位が下がりきっている主要ダムの水位が回復する見通しはない。
連邦政府の水資源相も、マレー=ダーリン水系局のミック・キールティ監察官も、ABC放送のインタビューに大して、「水泥棒がいれば厳しく対応する。この水系はオーストラリアでももっとも肥沃な食糧生産地であり、この地域の農業は我が国の経済にとっても重要な位置を占めている」と述べている。
キールティ氏は連邦警察長官を務めた実績があり、この水系の水泥棒や腐敗を摘発する任務を与えられており、今週もデビッド・リトルプラウド連邦水資源相とともに水系の南部を視察してまわっており、「貴重な水資源を守ることに専念する」と語っている。
BoMの予想ではこの春はオーストラリアのほとんどの地域が例年をはるかに超える乾燥気候に覆われ、近い将来に新しく大量の水が流れ込む可能性がないということになる。
そのため、この水系の農家の灌漑用水割当量は大幅に減らされるか、まったくゼロになるところも考えられる。また、同水系最大の2箇所のダム、ヒューム・ダムとダートマス・ダムはいずれも最大貯水量の40%または60%まで水位が下がっている。
リトルプラウド水資源相は、「間もなく都市住民にも干ばつの影響が身に染みて感じられるようになるだろう」と語っている。
■ソース
Shoppers warned to brace for higher food prices as Murray-Darling Basin faces increasing dry